『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

オットケ・ソウル(hikari的初めてのソウル旅)10

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 ソウル3日目の朝。びっくりするほど熟睡して目覚めました。旅先でこんなに熟睡をすることは珍しいことです。まして、前の夜の何時間かのことを思えば、信じられない感じでした。新型インフルエンザじゃなかった~とも思って、ほっとしたということもあります。

 とにかくそのおかげか、あるひとつのことを除いては、体調は復活しました。その「あること」で、また私は予定外の行動をとることになるのですが、それはまた後の話…。

 今日の予定は、「昌慶宮」の散歩道です。映画『スキャンダル』で、主人公ウォンが、雇った暴漢にどうしても落としたいヒヨンを襲わせ、助けるふりをして、彼女の信頼を得て家まで送っていくというシーンの撮影地です。

 前に書きましたが、そのシーンに出てくる巨大な木が、映画を見たときから気になってしかたがありませんでした。いつかその木に会うんだと思い続けていた、それをかなえる時がやっと来たんです。

 昌慶宮は、市庁駅から地下鉄2号線で二つ目の「乙支路3街」で3号線に乗り換え、そこからやはり二つ目の駅、安国で降ります。ネットで見ると、そこから徒歩で10分と書いてあるものと20分とされているものがあって、とにかく国立中央博物館の徒歩5分からすると、かなり歩かなければならないんだなということを了解して出かけました。

 さて、安国の3番出口から出て道なりに歩きだすと、またのどが詰まるような感じがしてきました。最初の日に来た、あれです。ただ、このときはわりと軽めで、普通に歩くことに支障はありませんでした。

 先の十字路で左折と、地図で確認していたんですが、思っていたより早く左折したい気がするんです。「行ってみるか。違ったら戻ってきたらいいんだし」という気になり、そちらに歩き出すと、その場所を示す標識と出会いました。

 そのあとも、地図を見なくてもわかるんです。こっちだ、こっちだって…。わかりやすい道だということもあるでしょうが、その流れは、京都でよく出会う感じと同じでした。思う道と違う気がして、歩き出したところどころに、その勘が間違ってないよという標識が現れる。そういうことがよくあるんです(真逆に、「何でここで迷うのよ~(T.T)」っていうようなところで、迷うこともあるんですけどね…^^;)。

 その場所が近づくたびに、また泣きそうになります。でもここでは、歩道の工事の方たちがいらしたんで、息を整えてそれをしのぎました。

 1000ウォンを払って入場した昌慶宮は、朝鮮王朝第4代の世宗(セジョン)さんが、退位したお父さまが後世を送る場所として建てたものなのだそうです。1592年の壬辰倭乱(文禄・慶長の役)ですべての建物が焼失し、それから日本による植民地時代にもあれこれあったりもして、形が変わったり、破壊されたりしていたものを、1983年からの復元・改修工事を経て、ようやく昔の姿を取り戻すに至った…という歴史があるらしいんですが、申し訳ないけれど、今回の私の興味の対象ではありませんでした。

 私の興味は、あの木に会うこと。それしかありませんでした。私はざっと全体を眺めるだけで終えると、問題の散歩道に足を向けたんです。