『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

大きな袋を肩にかけ~♪

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 この前の記事で、ちょこっと書いた大国主命のお話です。これはあくまで古事記にのっとったお話なので、オオクニヌシ・ファンの皆さん、お気を悪くされないようにお願いしますね(いるのか?)。

 神話によると、オオクニヌシさんは絶世のハンサムさんだったらしいです。今様にいえば、「半端(じゃ)ね~イケメン」ってことでしょうか。そのオオクニヌシさんには、「八十神(やそがみ」と呼ばれるお兄様たちがいて、彼らは、今の鳥取東部に住む、これまた絶世の美女と誉れの高いお姫様を嫁にしたいと、オオクニヌシさん(そのころの名前は違うのですが、ややこしいのでオオクニヌシさんで通しますね)に全部荷物を持たせて、はるばる鳥取までやってきたのです。お兄さん達、まるでシンデレラのお姉さん達のようですね。

 で、そこで登場するのが、「因幡の白うさぎ」です。この白うさぎ、潮が引いている時に。海のおきの方にある島に遊びに行ったはいいが、潮が満ちて帰れなくなってしまったんですね。で、ちょいと悪知恵を働かせたんです。「その辺にいるさめに、『みんなの数を数えてあげるよ~』と声をかけて、その背中を飛んで、海岸までもどればいいんだ!」。で、やってみた。悪いことはできないものですね~。寸前にそれがばれて、怒ったさめに、皮をはがれて丸裸にされてしまったんです。

 そこに現れたのが、八十神達。事情を聞いて、「塩水で体を洗って風にさらせ~」なんて教えます。皮をむかれた丸裸の体を塩水で洗って…ってあなた。想像するだけで、ぞっとする仕打ち…。そのとおりにして、オイオイ泣いているところにやってきたのが、みんなの荷物を持たされたオオクニヌシさんです。彼は、「きれいな真水で体をあらって、がまの花に包まりなさい」と教えてやります。

 このうさぎ、悪知恵が働く上に、預言者だったらしく、体を楽にしてくれたオオクニヌシさんに、「お姫様と結婚するのは、あなたです!」と、宣言したそうな。実際、お姫様は、オオクニヌシさんを気に入り、めでたく結婚~ということになった。

 それでは収まらないのが、怒りに震えるお兄さん達です。なんと、オオクニヌシさんを焼き殺してしまうんですね。オオクニヌシさんの母神さまは、たいそう悲しんで、彼を生き返らせます。お兄さん達は、これでもかと、今度は木のまたではさみ殺したんです。すごいですね。男の恨みも…。それでも、お母神は負けません。再び彼を生き返らせて、出雲にいるスサノウノミコトのところに、逃がしてやったのです。
 
 (スサノウノミコトは、オオクニヌシさんのお父神だと思っていたのですが、お舅さんだったようで)スサノウさんの娘さんは、やってきたオオクニヌシさんを見に出てきて、二人は見詰め合うなり恋に落ち、結婚してしまうのです。スサノウさんは、いろんな「婿テスト」の果てに、それを認めるのですね。

 で、思うのは、「オオクニヌシさん、あんた鳥取のお姫さん、ど~するの…(-''-:)」ってことです。一夫一婦制ではないですから、彼は姫を呼び寄せるのですが、姫は正妻さんとなった、スサノウさんとこの娘さんの嫉妬を買って、逃げ帰ってしまいます。

 ことはそれでは終わりません。オオクニヌシさんは、出雲の女性たちにもモテまくり、奥様だけじゃなく、町の娘達の間でも、彼をめぐってとんでもない争いが起こります。それに閉口したオオクニヌシさんは(あんたが悪い、とも思うけど…)、朝鮮半島に逃亡。
 ところが、あちらでもモテまくって争いが起こり、再び日本に。争いあっていたあちらの女性たちは、大挙して海を渡ってくるという事態になります。

 オオクニヌシさんったらそれで懲りずに、また新しい人を見つけ、仲良しに。そこに女性達が押寄せ、また逃亡の旅。そして、また出雲に…。繰り返しのようですが、正妻さんの嫉妬深さのためにいろいろありつつも、度重なる試練?の成果か、今度は正妻さんやほかの奥さん達と上手くやるすべを見につけたらしく、仲良くみんなで暮らされた…ということです。めでたし、めでたし。

 いや、もてるというのも程度もの…って感じですね。本人の自覚ってヤツも大事よね。


 そうそう。オオクニヌシさんの名誉のためにも、一言。たまたまこういう内容に出逢って、へ~と思ったので記事にしただけで、話はこれで終わりませんし、まして彼は、女性関係だけで活躍した人ではありませんから~。