母、リベンジ(?)を誓う~安らぎのスポット~

スクナヒコナノカミを知っていますか? 「少名毘古那神」と書くんですけど(諸説あり)。医療(薬)の神様であり、酒造の神様であり、温泉の神様でもあり、さらに、国土平安・産業繁盛・航海守護・縁結びの神様でもある…と言われています(結構万能?)。
 
このスクナヒコナさん、オオクニヌシさんとたいそう気があって、彼の「ビジネスパートナー」だった神様なんですって。オオクニヌシさんの知恵袋…とか、右腕といった感じでしょうか。だから、オオクニヌシさんとセットで祀られているか、オオクニヌシさんを祀る神社の摂社などとして別に祀られていたりする…というんですが、もちろん出雲大社の近くにもこの方は祀られています。というか、その姿が見られます。そう、姿が…。はい。こんな感じね。


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このスクナヒコナさん、実は、「一寸法師」のモデルだといわれているそうです。これで、彼なしにはオオクニヌシさんはないと言われるくらい有能。えらく見かけとのギャップがありますね(そうそう。ここでは、この像に願いをかけると「いいこと」がある…なんてことも言われているらしいですよ)。
 

この像があるのは、出雲大社の銅の鳥居を入って少し右手に進んだところにある門から見える、北島国造館(きたじまこくそうかん…入れ間違いじゃなく、「こくそうかん」ね)にある池のほとりです(ここへは、銅の鳥居を入らず、右方向に進んでも行けます)。


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ここはかつて、今大社でお勤めをしてらっしゃる千家さんと交代で、大社の権禰宜さんを務められていた神官さんの神社なんです(それが千家さんだけになるについては、遠い昔いろいろあったようですが、今はおかしな遺恨はないようです)。今は、オオクニヌシさんの教えを広める…とか、結婚式とか、お宮参りとか、自動車を買った時のお祓い…とか、生活に密着した神社のように感じられました。


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実は、私はここにこれまで一度も来たことがなかったんです。おとなりに、何十回とお参りに来ていながら…ね。案内看板を見てはいたんですよ。ただ、それを見ても特に何も思わなかったし、行ってみようとも思わなかった。さらに、行ってごらんと勧めてくれる人にも、これまで出会ったことがなかったんですね。
 
ところが、最近ある本で、これから行こうとしているところを知り、それに関連して、出雲大社の東隣といっていい場所にあるこの神社の資料をのぞくことになって、その時に、そこのお庭にベンチがあるのを見かけていたんです。で、そのベンチで母に待っていてもらえばいいとひらめいたってわけです。何せ、スクナヒコナさんは医療の神様。お腹の不調を癒してもらうにはうってつけの場所だと思いませんか?(そういえば、この前の記事の画像で、ちらりとスクナヒコナさんの像が見えますね)。
 
ここは、大社に比べるとはるかに人が少ないです。その境内もそう広くはないのですが、行ってみると、何だかまったりとして面白い場所でした。けっこう蒸し暑い日だったのに、それから、日光を遮るものが何もないお庭だったのに、日差しが全然気にならないどころか、暑さもさほど感じない…。言ってみれば、透明のベールでふんわり覆われて守られているような…、そんな空間。とにかくの~んびりした空気が漂っています。


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そこのベンチから見ると、こんな風景が見えます。私が行った時には、大社との間にある川はカラカラでしたが、その川からの水をひいて循環させているという話の滝(亀の尾の滝)の流れの音が穏やかに聞こえています。ベンチで座っていても、なぜか誰にも気にされることもないし、ず~っとここでのんびりしていたい…って感じがする場所です。
 
このベンチでしばらくのんびりしていた母によると、それでも、訪れる人は結構あったそうです。最近、ここの「白いお守り」が効くと噂になっていて、それを求めてあちこちから来る人が多いということでしたから、それででしょうか(社務所の方にうかがったら、男女の縁結びに特化したお守りではないと話していらっしゃいましたけど、見ていると、それを買っていかれるのは若い方が多かったような気がします)。
 
それでも皆さん、オオクニヌシさんが祀られている本殿だけではなく、いくつかあるお社にもきちんと手を合わせていかれます。そうそう。地元では、「あっち(あえて言いません)より、こちらで結婚式をした方が離婚率が低い」なんてひそかに言われてるそうですよ。
 
私も、皆さんに交じって、とにかくお参りです。ここにあるのは、オオクニヌシさんのお祭りされている本殿、スクナヒコナさんがお祭りされている天神社、菅原道真さんが祀られている天満社(道真さんは、この北島国造家の系列であるとも言われているそうな。このお社のそばに書けられているハート型のオオクニヌシさん(=大黒さん)が描かれた絵馬には、合格祈願だけじゃなく、縁結びのお願いもありました)、そしてさらに、稲荷社・天穂日命社(アメノホヒノミコトシャ)・荒神社(コウジンシャ)の三社があります(下の画像がそれ)。


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左側の稲荷社は、「ウカノミタマノカミ」さま。稲荷さんですから、すぐに五穀豊穣や商売繁盛の神様だとわかられますよね? 右側の荒神社は、荒神さん(台所の神様ですね)。家計のやりくりを助けてくださったり、厄や災いなどから守ってくださる神様。火事よけの神様でもありますね。そして、真ん中の天穂日命社は、名前のまんま、アメノホヒノミコトさん。そして、ここでそれを教える添え書きなどはありませんでしたが、ここには何と、あのオオクニヌシさんの奥さん(第何夫人だろう…)の「八上姫」さんの「因幡氏(いなばし)」も祀られているそうです。
 
それを知って、実はちょっとほっとしました。オオクニヌシさんから離れ、因幡に帰ってからは、独身を貫き、戦いの先頭に立って里を平定したという美丈夫な彼女を、あんなに貶めるような歴史(嫉妬深い正妻さんにおびえて、子供を木の股に挟んで逃げ帰った…などと書かれている)で汚しているからは、決して彼女のことを良くは思っていなかったんだろうと感じていたからです。
 
だから、八上姫さんと限定してではないけれど、彼女を含めての因幡氏が、大社と同じく、オオクニヌシさんをお祭りするこの神社に祀られている。それがうれしかったんです。ベンチに落ち着いた母と別れ、次の場所に行く前に、私はもう一度そのお社にそっと手を合わせました。「八上姫さん、良かったですね」って…。(続く)