『舞夢(まいむ)』
席を立っては入れ替わる テラスの席の片隅で
”相変わらずだね”って あなたはいった
”がんばれよ”って ほほえんで
心の傷 みえないほど
遠くなった人が いった
”女ならやめなさい そんな夢追うこと
きみに ふさわしい 夢がある”
呪文のように くりかえしたね
昨日のこと みたいなのに
あたしは みえないものを 追いかけ
あなたは 人並みの なかにまぎれた
ー相変わらず?
その背 追いかけた日は 遠くて
その肩に 並んだ日は 遠くて
やっと ふりきれた
あなたのこと やっと
夢を舞う
自分勝手に 傷つきながら
夢に舞う
ひとに 自分に
つまずきながらー