年末だものな~と、食器棚の整理&掃除をしていました。色々片付けたら上のほうに寂しい空間ができたので、物置の奥深くにしまいこんであった(とはいっても、値打ちものでもなんでもない、遣わないからずっとそこに置いていた)重箱を引っ張り出し、思いつきで置いてみることにしました。地色が黒の分、食器棚全体の色が引き締まって、なかなかいいかも~と自画自賛して眺めていたとき、ふと頭を掠めたものが…。
「なんで乙姫さんは、浦島太郎さんに、『開けてはいけない玉手箱』なんか渡したんだろう…」
重箱で玉手箱を思い出すってのも変なんですが、…というより、なんで発想がそこにいくんだか…、なのですが…ーー;。
浦島さんは、子供たちにいじめられていた亀を助けたお礼にと、竜宮城につれて行かれ、飲めや歌えの大歓待を受けたわけでしょう? で、里心がついて「帰ります~」って話したら、おみやげに玉手箱をいただいた。「けして開けないでくださいね」と言って…。
変だ。おかしい…。普通に考えるのなら、「ああ。竜宮城は素敵なとこだったな~」としみじみ思い出せるようなものを入れてあげるとか、向こうで食べられないようなおいしいものを入れといてあげるとかでしょう。開けてはいけない玉手箱なんて、もらったって意味がないじゃないですか。私みたいに、「あんたんとこの食器棚の開いた空間がさみしいからもって帰れ」、なんてわけじゃないわけだし…。
それに、自分だけが若いままで、文字通り浦島太郎状態になってしまっていたのが、正常な地上時間が経過した自分に戻れるとはいっても、いきなりおじいさんになってしまうという、浦島さんにとってはわけもわからず大ショックな結末になることがわかっていて、どうしてそんなものをわけも話さずに贈ったんだろう。恩人に…。
問題になるのは、乙姫さんと浦島さんの関係ですよね。乙姫さんは、単なるご接待を取り仕切っていただけだったのか、それとも、いつしか浦島さんと恋仲になってしまっていたのか…。そのあたりで違うかもしれませんね。
後者だったら、「あなたは、こんなに恋慕っている私を残して帰ってしまうのね」って恨みが、そんな「あぶないブツ」を渡させたっていうのは考えられます。でも、所詮浦島さんは地上の人。乙姫さんは海底の人でしょ。いつかはそのときが来るということくらい、わかっていたでしょうに。帰りたいといったことで、そこまで恨む? それとも、浦島さんが開けないだろうと踏んで、「きっとここのことなんてすぐに忘れてしまうわ。恨み言のひとつも入れといてやりましょう」と思って入れた想いが、あちらで化学変化を起こした、とか…?
そうじゃなかったら、調子に乗って竜宮城で遊びすぎ、竜宮城のみなさんに、「さっさと帰りゃいいのに」と、うとまれていた、とか…??? で、「やっと帰る気になったか、浦島。え~い。調子に乗ってると、こんなになるとわからせてやれ~!」って、そんなのを渡された、とか。
でなきゃ、浦島さんに落ち度はない気がするんだけど…。亀を助けたはずが、最後はこれじゃ救われないじゃないですか~。なんでなの~?
〔追記〕
後で調べたところによると、この浦島伝説には、亀は子供にいじめられていたのではなく、漁をしていた浦島さんに一度はつかまるもの、海に返してもらったのだ、というものや、実はその亀が、乙姫様が変じた姿だったというもの(ということは、乙姫様、心優しい浦島さんに心を奪われたのでしょうか)、さらに、乙姫様は浦島さんを追いかけて地上のものとなり、鶴と亀になって生きたとかいう、諸説あるらしいです。となると、?も変わりますね。
(画像は、うちの玉手箱…じゃなくて、ほんとは写すほどではない重箱)