『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

思いがけない寄り道~’17秋の出雲詣で~


 二つ前の記事『序章~’17秋の出雲詣で~」の続きです。

 翌日、朝駅前のホテルを出る前も、やはり曇りのち雨の予報でした。空もどんよりとしていて、一応持ってきていた折り畳みの傘を持って出かけようかなぁとは思ったんだけど、大社の門前あたりならビニール傘くらい手に入るだろうと、手ぶらで出かけました。雲の色から、お参りする間くらいは何とかもつだろうと判断したんです。それに、使わない傘ほど邪魔になるものはありませものね。

 今回は、タクシーでのんびりと向かいます。駅で乗り込んだタクシーの運転手さんは、大社までにある名所・史跡のことを話しながらハンドルを握られます。ふだん、そうやってタクシーで大社に向かうことが少ないので、某半島からのミサイル攻撃に備えて、島根に供えられた迎撃システムpack3は、実はこの出雲にあるなんて話も興味深く聞きました。

 「そのへんが、平成二年に廃線になったJRの旧大社線の跡ですよ。左側が旧大社駅ね。遠い? そうそう。ここから2㎞ありますからねぇ。大体、もっと大社に近いところに駅を作るはずだったんだけど、もうちょっと手前に駅を作ってもらわないと、このあたりの人たちにうまみが少ないということで、遠くなったんですね」

 旧大社駅、実は、ずっと行きたいと思っていたんです。現在、鉄道で大社に行くとしたら、JRの出雲市駅から、並びにある私鉄一畑電鉄出雲市駅へ行き、そこから大社門前にある出雲大社駅まで行くことになるんですが、この一畑電鉄、松江にも駅(松江温泉駅)があるので、いつからか、鉄道を使って大社に行く場合、松江から大社に行くようになってしまったんですね。だけど、小さいころ、お正月に大社に行く時は、そのJRの旧大社駅を使っていたんです。

 「ああ。旧大社駅…」といった私の声から、一度行ってみたいと思いながら行っていなかった、私の想いを感じでくれたのか、大体そうしてらっしゃるのかはわからないんだけど、「寄りましょうか。メーター止めときますから」と運転手さん。もちろん、「お願いします!」と声を上げました。

 
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 (撮る時バッグがずれたはずみにデジカメが傾いたのか、画像が僅かに傾いてますね。見難くてごめんなさい)


 一畑電鉄の駅が洋式なのに対して、JRの旧大社駅は和風作り。そのなかにも、クラシックで洋風な匂いもする、とにかく古い駅です。使われない建物はだめになってしまうと、今はちいさなコンサートとかイベントなどが時々行われているんだそうですよ。


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 旧大社駅がつくられたのは、明治45年。大正13年に改築されたといいますから、これはその時からの面影なのでしょうか。この駅では、お正月には普段使われる改札口より遥かに広い、お正月用(大祭などの時にも使われる?)の改札口がありました。小さいころの私は、祖母や母に手をひかれて、そちらを通っていたんです。今のように、建物の様式など珍しそうに見ることもなく、多くの参拝客の人たちに押されるようにして―。ホームに出ると、遠くに出雲大社の最初の鳥居が見えました。そこにはもう、使われる線路はありません。


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 ところで、実は出雲市駅では雨がパラパラと来ていて、傘を置いてきて失敗したかなと思っていた、暗く垂れこめるようだった空の色が、ここでタクシーを降りたら、薄日の指す空模様に変わってたんです。薄日の気配、写真で気がつきましたか? さて、その後を御覧じろ(御覧じろって、こういう字なんですね。知らなかった




 
 あっ、そうそう。言い忘れてました。駅舎にいるはずのない駅員さんの姿を見て、ぞっとしたあなた。大丈夫ですよ。あれ、案山子…のようなのが置いてあっただけですから