思いがけない夜

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 さて、旅の話をする前に、ちょっとまた寄り道です。
 
 ずっと前からここを訪れてくださる方の中には、覚えていてくださっている方があるでしょうか。何年か前の秋の京都。某ホテルでとんでもないことがありました。
 
 
書庫「うろうろ京都」より
 
 とはいっても、この「とんでもないこと」を味わった想いっていうのは、経験したものでないとやっぱりわからないことだと思うんですが、それと同じ言葉を、今回の旅の途中で聞いたんです。
 
 それは、某ラウンジでのこと。目の前に広がるお庭の景色を見ながら注文のものを待っていると、後ろから、「(旦那さんと離れて)昨夜はよく寝たわ」という冗談っぽく言って笑われる声が聞こえてきたんです(後でレジに向かわれるのを拝見したら、話してらっしゃったのは、60代後半くらいの3人の女性でした)。
 
 その話のあとに、「全然寝てない」という声がしたんです。「信じてもらえないだろうと思ったから、言わなかったんだけど…」と…。「信じるも信じないも、聞いてみないとわからない」というお二人に促されて、その方が話し出されました。
 
 「こんなこと言ったって、私はシングルに寝たから、経験したのは私だけ…。普通信じないわよ、私だって…」と、まだまだ言い出しかねてらっしゃる様子。
 
 お二人はツインで、もうお一人はシングルで。ホテルではそういう形で泊まられたんでしょうね。トリプルで泊まると、一台は簡易ベッドになる場合がある…。それがおいやだったのかもしれないですね。いや、案外お一人の方が気楽…だったのかもしれません。
 
 それから、その方が話されたのはこんな話でした。お二人の部屋で話し込んで、部屋に戻ったのが1時頃。お風呂に入って、もしかして寝すぎるとまずいと思って、タイマーを食事に行く約束の30分前の7時にセットして、明かりをフットライトだけにしてベッドへ。
 
 その方が寝入りかけられた時、突然テレビの音と画面からの明かるい光を感じて目が覚めたそうなんです。で、眠かったから、テレビを消したつもりが消してなかったのかと思って、消してまた寝たんですって。ところが、またテレビがついて起こされたんだそうです。「テレビがおかしいんだわ。明日フロントで文句言ってやろう」と思って、また切った。で、寝ようとして、「いったい何時?」と思ってホテルの時計を見たら、思わぬことに気が付いたそうで…。タイマーが「5時30分」になってるっていうんです。
 
 セットしたつもりが、慣れない操作でちゃんと出来てなかったのかと、ホテルの説明書を見ながらもう一度ちゃんとセットし直し、またベッドに横になった。ところが、寝入りかけるとまた同じことが…。もちろんタイマーもです。まさかと思って、もう一度慎重にやりなおした。でも、またそれは起こった。
 
 4度目ですからね、さすがに「変だ!」と思いますよね。とにかくテレビをどうにかしようと思ったけど、動揺されていたのか、どこにコンセントがあるのかわからない。「テレビは故障。きっと時計も壊れているんだわ」…と、いいように考えた。でも、そのふたつが同時に、それも同じ時刻にタイマーが戻ってしまうというのは、やっぱり変だ。頭はそこに帰っていく。それから、怖くなってどうしようもなくなり、明かりをつけたまま朝を待ったんだそうです。
 
 
 幸いにも、いちばんおびえていた5時半にも、そのほかの時間にも、それ以外には何事もなかったんだそうです。ただ、そういう人の話を聞いた時に、「そんなことがあるわけはない。自分が霊感がつよい特別な人間なんだと自慢したいだけだ」と思っていたけど、やっぱりそういうことはあるんだと心底納得したと話してらっしゃいました。
 
 「こっちに来れば良かったのに」と、一人の方が言われました。「だって、人が寝てるのに…」と答えてらっしゃいましたが、たとえ、お二人の所に行かれたとしても、夜中の…、それこそ「丑三つ時」ですから、大きな声を上げられるわけもありません。そっとノックされても、声を掛けられても気がつかれたかどうか…。チャイムのある部屋でも、けたたましく鳴らさないと、眠り込んでいたら気が付かないかも…。ホテルのフロントに電話をかけて来てもらったとしても、無駄だってでしょう。いや。無駄ではなく、部屋は換えてもらえたかもしれませんが、その方の気のせいにされて、とぼけられるのは私が経験済みです(翌朝、他のお客様が離れたタイミングでのフロントで、だけど)。
 
 そっと聞き耳を立てていたぶしつけな親子がおりました。「そういうのもあるのね」と母。「いやいや。うちのみたいなタイプじゃなくて、この手の話の方が多いから…」と私。「よく言うじゃない。何かある部屋は、かけてある絵の裏にお札が貼ってあったりするって…。そのたぐいだったのかも…。まっ、ほんとに電気系統の異常だったのかもしれないけどね…」と、こそこそと話します。
 
 なんて言ってるけど、実は私はホテルの額の裏を一度も見てみたことはありません。だって、あったら怖いもの…ーー;。それに、「入った時に気持ちが悪かったから、額の裏を見た」という方がよくあるけれど、そういうのを全然感じないうちの親子でも、トラブルに出会うことがありますからね…。やっぱり、こういう時は、とぼけられても迷わずフロントに電話して部屋を変えてもらうのがベストなんでしょうね。
 
 そんな経験ありますか?…と集めるのは良くないよね~。それじゃ、百物語だよ~って、集まらないか~(爆)。