『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

思念は残る?

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akinoyuukei


 あ~。今年は(正確には、ここ数年も)、秋の京都に行けなかったなぁとため息ついて、思い出した京都での出来事ことがありました。

 このブログの多くの記事はヤフーブログでアップしていたもので、これから書こうとしていることもその中にある話なんだけど(テーマに沿った記事を集めたいくつかのブログに分けようと思いつつ。それで、「総本家」なんです)、そのままになっているので)、簡単には探し出せなくて、まだ改めて書くことにします。記憶違いもあるかもしれないけど、出来事自体は大体そのままだと思います。


 かなり前のことです。ある秋の日。母と二人で秋の京都に出かけました。ただ、日時が寸前まではっきりしなかったために、いつも泊まるホテルを予約することができず、それまで一度も泊まったことにないホテルに泊まることになったんですね。

 場所は、翌日どう動くにもまずまず便利なところだったし、お部屋も新たに改装されたばかりのようなお部屋で、それ自体になにも問題はなかったんですね。


 母はすでに先に休んでいた、俗に言う(俗に、か?)「丑三つ時」のこと。予定の他にもう一ヶ所どこかにとしばらく見ていたガイドブックを閉じて、「それじゃ寝ようか」と私がベッドに入った途端、部屋がドンドンバリバリ、ズリーズリーと、大きく激しい音をたて始めたんです。もう振動さえ伝わってくるくらい。

 そういうことに出会うのは初めてのことでした。というか、「亡くなっている人」を見たことなどないし。母の方を見ると、眠りこんでいるのか動きがなく、これを感じているのは私だけかなのかと思いました。


 どうしたもんだろう。フロントに電話するかな…、でも、こんな時間に来てもらうのも嫌だなとか思ううちに、ふと思ったことがありました。もしかしてこれは、「残留思念」というやつではないか、と(意外に冷製?)。


 何かを引っ剥がすような音、何かでどんどん壁を叩くような音、べニア板か何かをえらい勢いで引きずるような音など、室内工事の時に聞く音のようだと思ったからです。お客様がいるのにこんな時間に工事をしていたわけもないだろうし、もしかして、この部屋の改装に携わっていた若い職人さんかなんかが、上の人に理不尽に怒られたか何かで、やけくそになって仕事をしているような音だと、勝手に思ったんですね。


 音は相変わらず大きいし、体に振動も伝わていたんだけど、そう思ったら、妙に眠くなってきて眠ってしまったんです。その後、悪夢にうなされる…とかいうこともなく(その後も一切ありません)。


 それは、30分~1時間弱くらいの出来事だったと思うのですが(私が起きているなかでは)、実は、その時母は目覚めていたそうで、あまりのことに動けなかったんだとか。朝になって、「あんな状態で寝られる人間がいるなんて信じられない!」と言われたんだけど、単調で大音量の激しい音楽を「聞かされて」いると、なぜか眠くなってしまうということってないですか? そういうのに近い感じでした。いちばんに、なぜかまったく怖くなかったということがあったせいもあるかもしれません。

 チェックアウトをするときに、「昨夜どこかで工事をしていたんでしょうか?」と母がフロントで聞いたのですが、そんなことはなかったという返事。私も、実は私たちの部屋の周りの部屋に気配がしなかったのは、朝になってそれとなく確認していましたから、実際の出来事ではなかったんだろうとは思っていましたが、その時のそこのフロントの対応は、ちょっと不親切だったなと今も思います。


 ところで、何故そんなことを今思い出したか…。それは、実はそのホテルが別会社のものとして建て替えられ、開業されたという記事を、偶然ネットで見かけたからなんです(リアルタイムの記事ではありませんでしたが)。

 私が思ったように、ただの残留思念だったとしたら、新しい建築物となった今は、あの音は、あの振動は、引き継がれないものなんでしょうか。そうであってほしいですよね。私は多分、それでも行かないとは思いますけど(おいおい)。