『光と風の間(はざま)で』総本家

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神様の都合?~’14 夏の出雲詣で その1~

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 前にお話ししていたように、心臓の弁置換手術を受けた母の術後3ヶ月の検診に、母に付き添って行き、その帰りに、病気平癒のお願いをしてきた神社の一つ、出雲大社に行ってきました。
 
 検査の結果は、「特に問題もなく順調」ということで、「また3ヶ月たったら検診にきてください」というお話を聞いて、病院を出ることになったのですが、これくらいかかるだろうと思っていた時刻より、相当早く終わってしまったんです。どういうわけか、患者さんがえらく少なかったんですね、これまでより…。
 
 早めのお昼を摂り、すぐに出雲に向かったのですが、チェックインの予定までだいぶある時刻に着いてしまったんです。今回のいちばんの目的は検診だったし、あとは出雲大社にというだけ。病院に行く以外は、7か月くらいちやんとした「外出」をしていなかった母の体調も考えて、のんびりとしたJRでの旅にするつもりだったので、そのほかにすることを考えてなかったんです。ただ、ひとつ思うことはありました。
 
 出かける前日のこと。母に無理なく効率的に動いてもらうために眺めていた出雲大社付近の地図を見ていて、ちょっと心に留まった場所があったんです。それは、「日御崎神社(ひのみさき・じんじゃ)」。
 
 出雲大社から車で20分ほどのところにある神社です。近くにある、ウミネコがあたりを群れ飛ぶので有名な日御碕灯台には以前行ったことがあるのですが、一説によると、「竜宮城のよう」といわれるというその神社には、行ったことがないというのに気がついたんですね。灯台のすぐ近くなので、もしかしたら、子どもの頃にでも行ったことがあるかもしれないけれど、今の私には、まるで覚えのない場所でした。
 
 そのことは、また次の記事に書くつもりですが、神社のことをちょっと調べてみて、書かれていた祭神にびっくりしたことがありました。この神社、アマテラスさんとスサノオさんが祭神としてともに収まっていらっしゃるという、日本中探してもここしかないという神社だったんです。
 
 これ、驚きません? スサノオさんといえば、あの「天の岩戸事件」(アマテラスさんが、度を超したスサノオさんの乱暴ぶりに耐えかねて、天の岩戸にこもってしまわれ、あたりが真っ暗になってしまったというあの一件)の、問題を起こした張本人ですよね。弟さんではありますが、その人と二人(ふた柱の神様、か…?)、祭神となって一つの神社におさまっておられるなんて…。まっ、実際はそれぞれ収まっておられるお社はちがうんですけどね…。
 
 母の病気平癒のお参りに行った最後の場所、熊野大社もスサノウさんをお祀りした神社でしたし、それを読んで、無性に行ってみたくなりました。でも、今回出雲に行く目的は、観光ではなく、出雲大社への母のお礼参りだったし、さらに、今の母にそこまで足を延ばすのはまだきついだろうなとも思いました。
 
 仕方なく、今回はあきらめるかと思ったり、母にはホテルで休んでいてもらって、一人でそちらに先に行ってこようか、などと思ったりしましたが、どちらにしても、病院での検査や診察をうけてからでないと何も決められないと、曖昧なままでいたんです。
 
 そんなところに、かなりの時間が出来た。ここで行かない手はない…とは思ったのですが…如何せん母が…。ところがなんと、母いわく、「だったら、行こう、行こう!」。
 
 経過が良いと聞いた母、かなりテンションがあがっているようす。それもあって、しんどければタクシーの中で待ってもらっていればいいかと、日御碕神社に行ってみることに決めたんです。
 
 その途中、あれこれの話の中で、母の病気平癒のお参りをしていて、明日の朝早くにお礼参りに行くのに、ホテルの予約をしたのだけれど、そのチェックインまで時間があるから、日御碕神社に行ってみることにした…なんて話をすると、運転手さんに、「出雲にお泊りですか?」と聞かれました。そうだと答えると、「よくとれましたね」。
 
 何故、そう言われたか―。実は、以前から、特に遷宮前頃から、旧暦の10月。この出雲では神在月にある、神迎祭の頃とこの時期は、3ヶ月前でもホテルを取るのがとても難しいのだそうです。「当日でもホテルがとれるだろう」と予約せずにきていたタクシーのお客様を、何と自宅に泊めたこともあるそうで…。運転手さん曰く、「まじかに苦労もなくとれたなんて、宝くじに当たったようなもんですよ」。
 
 そんなこと、思いもしませんでした。だって、思い立ってから、ほんとにあっさりと見つかったんですから…。それもいい条件のところを…。そう言うと―。
 
 「ホテルのこともだけど、それ、招かれたっていうことですわ。いくら行きたくてもそうできない人もある。今は来る時じゃないということでね。これはもう、こっちの都合ではどうしようもないことで…。行けるも行けんも、神さんの都合なんですわ」。
 
 大社のごく近く。そして、大社の氏子さんだという運転手さん、そう力説されました。
 
 そう言われてみれば、びっくりするくらい診察が早く終わり、日御碕神社でゆっくりしても、チェックインの予定時刻までに十分行き来できる時間がぽっかり空く…とか、青空のもと、今行ってもそう暑くないだろうと思えるような涼しい風が吹き出した、とか…、何より、いちばん心配していた母の気分も体調も絶好調~!と、えらくいい条件だけがそろっています…。それも、神様の都合でできたものなのかなぁ…。そんなことを思いながら、かなり蛇行するところもある道から海を眺めたのでした。
 
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