『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

熊野大社にて~その2

熊野大社にはあとふたつ、ご神前にお参りするところがあります。それは、拝殿の左手にある、スサノオさんの息子さんが祭神だと言われている(はっきりしない)稲荷神社と、スサノオさんの荒魂を祀る荒神社です。
 
 
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出かける前の記事に書いたように、拝殿や稲田神社、伊邪那美神社より小さいものの、その2社を含めて5社それぞれが、都内にある神社の神様くらいのパワーを持っているということですから、とんでもない所ですよね。
 
元々は、今の熊野大社の位置ではなく、山の高い位置にあったそうで、そのことを記した文献は、1300年近く前に著された「出雲国風土記」だといいますから、いったいいつごろからあったものなんでしょうね。調べてみましたが、創建の時期については、わからないというのが大半で、唯一見つかったのには、「神代の昔」と書いてありました(神代の昔って…ーー;)。
 
それほどの歴史と力があると言われている熊野大社でも、凡人の私のことです。龍神様を3柱従えているという荒神社には、ちょっと背中が凛としたもののそれ以上のことはなく、前の三社とおなじようにお参りできました。そして、そのお社からくる、熊野大社のほかの場所とは違うとても気持ちのいい風に吹かれ、どういうわけか(嫌な感じで、ではなく)、「ああ。お参りしなくてもいいってことですね」と感じて、一度はお参りをやめた稲荷神社(二度目は、それがなかったのでお参りしてきました。お参りしたのは、あの件の方です)。それ以外には特に変わったことはなく、この2社へのお参りも終えました(何故か、荒神社と稲荷神社のは、直接写真を撮っていないんです)。
 
そうそう。本殿の左奥に、ご神水があります。ここも、いい力が流れているところだそうです。よい水なので口にしてみたり、いただいて帰ってもいいということなので、これから行かれる方は是非。
 
 
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実は、私はこの熊野大社で2時間以上の時を過ごしたんです。お参りするところとしては、この5社なので、2回まわってもそこまでの時間はかからないわけですが、その5社以外に、気になってしょうがない所が2か所あったからなんですね。
 
一か所は、門をくぐって拝殿に至る参道の右手にある舞殿です。古くは拝殿として使われたものだそうですが、今は神楽を行うために使われているそうです。上に留めあげる形の扉は全部開かれていて、初夏を思わせる日差しの中、その建物の中を微風が駆け抜けていくのを見ていると、なんとも気持ちが良かったんです。
 
 
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もう一つは、拝殿の左手前にある、鑚火殿(さんかでん)。出雲大社の神事で使われる火を熾す「ひきり臼」と「ひきり杵」が収められていて、今もその火を熾す場所としても使われるというところです。ここにあるほかのお社とは違う、古い茅葺の屋根に四方は檜皮葺き、縁は竹で作られているという建物のせいもあったでしょうか。とにかく気になる。引き込まれる感じさえして、しばらく立ち止まって眺めていました。そういえば、そこだけ風もなく、空気が止まっているような空間だった気もします。
 
 
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そうしようという深い想いもなく、写真を撮りながら、何度もその二つを行き来していました。人がまばらだったからいいようなものの、その姿は人から見たら異様だっただろうなぁと、今になって恥ずかしく思ったりします。
 
そんな時を終え、「環翠亭」と名付けられた休憩所で一休みした後、拝殿に戻ってもう一度お祈り。私はその門を出ることにしました。「何だか、木が全然ないとこだったなぁ」と思いながら…。ええ。その時確かにそう思いました。
 
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(続く)