『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

そして、八重垣神社境内へ

 
 
鳥居をくぐり、手水舎で身を清め、入ったそこには、いつのものだかわからない狛犬の姿があります。たぶん、これ、もう原形をとどめてないんでしょうね。どう見ても、普通に神社で見るような狛犬の姿には見えない。それでも、どこか愛らしく見えるのが不思議です。
 
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 そして、熊野大社より、もちろん出雲大社よりも小さめな社殿にお参り。ここはねぇ、不思議なんですよ。神社って、拝殿の前に立つと、どこか背中が伸びるようなりんとした感じがするでしょ? でも、ここは何かほっこりする感じ。…というか…、自分のまわりを何かで囲われているような安らげる感じがしました。
 
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 拝殿にお参りした後、その周りをぐるっと回ると、境内にあるイナダヒメさんのご両親や、アマテラスさんのお社や山を守る神様などにもお参りできるようになっています。おもしろいですよね。前日の熊野大社には、スサノオさんのお母様が別のお社に祀られていて、ここには、奥様のご両親がいらっしゃる。暴れん坊の異名のあるスサノオさん、改心したのか元からなのか、「案外気配りの人なんじゃない?」という感じがしませんか?(笑)。そういえば、熊野大社でも、暴れん坊の感じが私にはしません。…って、そういう感覚の強い方じゃないんですけどね。
 
 
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 実はこの境内には、今となればすごいと思えるものが収まった宝物館があります。お守りをいただいたりする社務所で200円を払って入らせていただくようになっています。私は、ここには入ったことがないと思います。
 
 関係する文書の展示とともにその中にあるのは、何とスサノオさんとイナダヒメさんの壁画。それも、あとの調査によって、どうも1000年以上前のもののようだとわかった代物なんです。すごいと思いませんか。修復されてない1000年前の絵が、そのお顔が、今でもそのままに拝見できるなんて…。その壁画が見られると書いてあるものを、ここにくる前にちょこっと見ていたので、こちらの絵馬の原型であるその壁画を是非みたいと思っていたんです。
 
 
 入館料を払って宝物館に入ったときは、失礼ながら、その作業小屋のような雑然とした気配に、「何だ、ここ…」と思ってしまったんです。ところが、その壁画と向かい合ってびっくり。
 
 
 美術館なんかで、その迫力にすごいエネルギーを感じる絵に圧倒されることがありますよね。ああいうときは私は、胸の真ん中を射抜くようなスコーンとした直球のエネルギー…というか、たとえてみれば、当たるとこだけすごく熱いハロゲンヒーターのような熱をを感じるんですが、この絵を前にしたときに感じたのは、遠赤外線のような、いやもう見た瞬間、体全体がというか、体の奥底まで暖まっちゃったような感じを受けたんです。
 
 この壁画が1000年以上前のものだ…とかよけいなことを知らずに見た母も、「何、これ。気持ちがいいわ~」と思わず口にしたので、外からの付加価値をもってそう感じたわけではなさそうです。いや、はじめての経験でした。神社でこういう経験をしたのも、何かを見てこういう感じを受けたのも。
 
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