人事ながら、ちょっとうれしいことがありました。いや。だからなんだといわれてしまうかもしれないけど、お隣さんさんが仕事に戻られたんです。今朝偶然仕事に出かけられるのに出会い、血色のいい晴れ晴れした顔を見たら、ちょっとうれしくなりました。
違う仕事についたお兄さん達に代わって家業をついて欲しいという親御さんの期待に反し、子供の頃からあこがれていたことの職人さんになられた方なんですが、実は小さいころから持病があって、年にふた月くらい病院で過ごされるんですよね。
ご両親はもう亡くなっていてお一人暮らし。我家の窓からそのオタクに明かりがつくのがわかるので、そこにしばらく明かりがつかないと、ちょっと淋しい気がするんですよ。
今年は暑さのせいか、入院が長引きました。母によると、ご近所に「もうだめらしいから、帰れないだろう」なんて噂が流れていたとか…。
噂なんてそんなもの。人から人へ伝わって、尾ひれ背ひれがついていき、その上分厚い衣をまとわせて、実態とは似ても似つかないものになっていくことも珍しいことじゃない…ということはわかっていても、良くなられたとはいえ、あることないこと言われるっていうのは、キツかっただろうな…って思います。それだけに、「良かったですね~」と思えたんです。
それにしても、です。お隣さんはご近所からだけど、多方向から、それも中傷や妄想に満ちた噂がドンと来ると、どれだけ不愉快だろうと改めて思います。そんなものに一々応えることはできないし、たとえ本当のことを言っても、まともに受け止めてくれるとも思えない。黙っているしかない状態―。
たとえば、負けず嫌いの「あの子」がいい例です。そんなときは、山ほどあったはず。その不愉快さを「あなたは、どんな風に乗り越えてきたの?」と、聞いてみたい気がします。
それでも、時は来る。それに負けさえしなければ…。その人なりの「時」がかならず来る…はず。フレ~、フレ~、お隣さん!&わけのわかんない噂に煩わされても、がんばってる人たち!!
ふっとこんな歌詞を思い出しました。
その船を漕いでいけ お前の手で漕いでいけ
お前が消えて喜ぶものに
お前のオールをまかせるな
(「宙船(そらふね)」words:中島みゆき)