オットケ・ソウル(hikari的初めてのソウル旅)ラスト

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 帰りの飛行機は、その日中に帰り着きたかったので、午後1時前にしていました。ホテルには11時くらいに迎えの車が来ると連絡がありましたから、あまり遠くには行かずにホテルの周りをしばらく散歩することにしました。

 やはり胸が詰まるような、切ない感じはしましたが、涙ぐむような感じはしませんでした。「したいことはもっとあったけれど、できなかったのは、この次にしなさいってことなんだよね」と、自分の失敗を棚に上げ歩きながら思います。

 何より、白磁と青磁(特にあの無地の白磁)、弥勒さんと、あんなに穏やかな時間と空気の中で会えたこと。そして、あの散歩道を歩き、ウォンの後姿を思い描いたり、あの怪人のような木に会えたことで十分でした。

 あの散歩道のおじさま、それから、地下鉄のおじさんにも会えたし、そうそう。そういえば、こんなこともあったんですよ。私ね、昌慶宮の帰り道に道を聞かれたんです。あちらの国の方に。

 通りがかりに捕まえられて、早口で言われるので行き先はわからなかったのですが、アクションで、どこかに行くにはどっちに行けばいいのかと聞かれていたのはわかりました。何とか、「わかりません」と答えた私に、60代の方かなと思ったその女性は、はっとしたように、私が学習用のCDで覚えたままの言葉で、「日本からいらしたの?」と。おお。それならと、そのCDで覚えたままの言葉で、「はい。日本からきました」と答えると、あちらは大爆笑。なんか、「いやだわ。韓国人の自分が日本人に道きいちゃったわよ」みたいなニュアンスのことをおっしゃったようでしたが…^^;。そんなのも、面白かったな~。

 さて、迎えに来てくれた車に乗っていらしたのは、定年族らしきご夫婦だけでした。こんな中途半端な時間に帰ろうと思うやつは少ないということなのでしょう。

 「楽しかったですか?」と聞くガイドさん。行きとは違う、30~40歳くらいの男性です。「ええ。とっても…」と、何かトゲのある言い方の奥様。「買い物もしましたか?」とまたガイドさん。「ああ。考えられんほどね…」。今度はご主人。思わず笑う私。なんか、旅でのお二人が想像できるやり取りでしょ?

 もう空港に行くだけですから、ガイドさんがそれ以上あれこれ話してくれることもなく、時折お二人の話に巻き込まれながらも、私はその途中でとうとうハンガンを見ることができました。「ああ。これがハンガンだ…」。そう思ってため息をついたとき、ご主人が、「ハンガンだね。大きいね…」。奥様、「馬鹿ね。海よ…」。ガイドさん、眉ピクリ。でも。何も言いません。私は心で言ったものです。「奥様。この場合に限って、お馬鹿なのは、たぶんあなたです」。

 そしてとうとう空港に着きました。スーツケースをおろしてもらい、アシアナ航空で帰る私は、日航機で帰られるお二人を見送ることになりました。ガイドさんが、入り口から近い日航のカウンターへ行ってから、端っこにあるアシアナ航空のカウンターに連れて行ってくれる手はずになっていたからです。

 短い間でしたが、「初めていらしたの?」とか、「よくまぁ思い切って」とか、「これからきっといいことがあるわよ」とかいろいろ聞かれ、お話したお二人です。「どうぞお元気でね」と奥様が私に声をかけてくださいました。私思わず、「お二人もどうぞお元気で。お幸せに…」と言ってしまいました。奥様、「お幸せになんて言われたの、何十年かぶりだわ~。ありがとう~。あなたもお幸せにね~~」。

 それまで、型どおりの会話をしていたガイドさん。一人になった私に、言いました。「お幸せに…。そうですね。一期一会ですからね…」。

 「おお。一期一会をあなたも(!)ご存知?」と思った私ですが、それを言うまもなく、「なんかおもしろいことありましたか?」。なんだかんだと答えるうちに、ガイドさんは少し打ち解けた感じになり、並んで歩きながらあれこれの話をしてくれました。そして着いたカウンターの前。

 「いたらぬガイドで、すいませんでした。どうぞお元気で。お幸せに…(ニヤリ)」。

 同じ言葉を返した私は、とうとう「それはあなたの国の人が言ってくれた言葉なのよ」と、言えないままにゲートをくぐったのでした。



「追記」
そうそう。もう一個おかしな話がありました。帰りの飛行機で、機内食にキムチが出たんです。「まいったな~」と思った、こういうのを残すのが嫌いな私、されているふたを一応開いてみます。「ん?」。ないんです。これまで感じていた、むっとした感じが…。だから思わす食べてみました。「おいしいじゃないの~~!」。そう、なんともないんです。狐に化かされたような気持ちになりました。体調が戻ってたって事なのかな~。