『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

1月の夜

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 前に話したことがあるかもしれませんが、一冬に1~2枚のセーターを編むのがしばらくの習慣でした。私のは、女性らしい趣味とか言うより、ジグソーをやったりプラモデルを作ったりするような感覚なので、それがたまたま着られるというだけのことなんですけどね。

 元々の目的が着ることではないものだから、細めの糸ではなく並太程度の毛糸で、縄編みとか透かし編みなんかを編んでいるうちに色々な模様が浮かびだしてくる、ノルディックセーターとかフィッシャーマンセーターと呼ばれるものが、編むのには好きなんです。

 ここ2年ほど、そういうセーターからは離れていましたが、久々にセーターを編んでみようと思い立ちました。それにはまず、指慣らしが必要です。編み目を一定に揃えて編める感覚を取り戻す為に、簡単なものを。さて何にしよう。そうだ!と思いついたのは、最近街頭でちらほら見かけるすかし編みの入ったマフラーです。

 毛糸を4玉買って、こんなもん楽勝さ! と思いました。ところが、しばらく編んで完全に編み方が頭に入ったと思った時、何故か同じ所でトチってしまうんです。編み目の数も二目をひと目にしたりするのも、ちゃんとできているはずなのに…。何度繰り返してもやらかす…(T.T)。わけがわからない。こんなもんで…と、ちょっとショックでもありました。

 ため息つきつき、編図を一つ一つ確認してみると、それはなんとも簡単な理由からだったんだとわかりました。あるところの、二目の編み目をひと目にするところで、右の目を上にするか、左を上にするか…、そこが間違っていたんです。どう言うわけか、その一箇所だけを間違えて覚えてたんですね。同じ模様のほかのところでは、ちゃんとできているのに…。何故それを間違えただけで模様が替わってしまうのか、とか話し出すと、やたらややこしくなるのではしょりますが、とにかくたったそれだけのことが原因だったんです。

 それがわかってからは、あっけないほどスイスイと進んでいます。それまで、何度も編むほどくを繰り返していたのが嘘のよう。何だかな~^^;。

 今夜はここまにしましょうと、機嫌よく編み針を置いた夜のこと。ふっと思ったんです。ちょっと大げさだけど、「人生もこんなもんかも。ずっと堂々巡りをしているような気がして落ち込んでいることでも、何でうまくいかないんだろうって頭を抱えてるようなことでも、その発端はたった一つの糸の掛け違いで始まっていて、それさえわかれば、あれよあれよという間にその先に進める。そんな風なのかもしれないな」、って…。

 それさえ探せたら…。ねっ?