『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

どっかに行きたい

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 JRの、「青春18きっぷ」の広告を見ました。5枚つづりで1万1500円(1枚が1日分)。年何回か期間限定ではありますが、1日2300円でJRの普通列車を乗り放題できるというものです。
 
 「青春18きっぷ」というんだから、学生さんターゲットで、長い休みの、乗客の少なくなる時期に使ってもらおうということで始まったのかもしれませんが、実は年齢制限はなく、意外に退職後に手軽な旅行を楽しんでいる、といった感じの年配の方が使っておられるのを見かけます。

 何故それがわかるかというと、直接きっぷを見たという場合もありますが、駅で見かけるそのスタイルから、なんですね。典型的な姿としては、(わりと男の方一人が多いのですが)リュックにスニーカー。JRの時刻表を携帯。とにかく、旅行の方のようなのにひたすら普通列車で、さらに荷物は少なく、軽装というのか基本のようです。

 だいぶ前になりますが、JRの普通列車に乗ったとき、車掌さんの切符のチェックから、それだとわかった、一人の女性を見かけました。60歳前後の方かな~と思いましたがはっきりとはわかりません(当たり前ですね…^^;)。「友達5人で、青春18きっぷを使って日帰り旅行に行ってきた」、とかいうのは聞いたことはあっても、女の方、それもそれくらいの年代の方一人、というのは珍しいな~と思いました。

 通路を隔てて向かいに座る私からは、時々窓枠に置いた飲み物を口にしながら、窓からの景色を見られるその方が、その空気感、そして、景色をとても楽しんでおられるように見えました。

 その膝には文庫本。たまたまそれを落とされたので、何気なくそちらに目が行きました。内田康夫さんの本でした。鳥取を舞台にされたものでしたから、もしかしたら、主人公の通った足取りを追っておられるのかもしれないなと思いました。いえ。もしかしたら、心の中で一緒に旅をされてたのかもしれません。想像ですけどね…^^;。

 ふと思いました。その方には、そこまでどんな人生かあったのでしょう。勤めを終えて、あるいは、ずっとがんばってきた家事から開放されて、たった一人のローカル線での気ままな旅に。いいじゃないですか~^^。降り際に、「楽しい旅になりますように」って、心の中でつぶやきました。

 今日10日は、この冬の「青春きっぷ」の売り出しの最終日だと、その広告で知りました。