去年の今頃でしょうか。ご近所犬リュウ君の恋の季節のお話をしました。春先の恋の季節を過ぎ、一昨夜は彼の恋鳴きがずっと聞こえていて、「また、恋の季節だわね~」と思ったのです。
昨日リュウ君のお宅に伺うと、リュウ君、玄関に出てきたはいいけど、あくびばかり。そりゃそうでしょうよ、あれだけ鳴いてれば、寝てないよね…ーー;。
「ここ二日ほど、全然食べないのよ」と、リュウ君ちのおばあちゃま。おお、そういう本能が強く働くと、ワンコでも食欲まで左右されるのかと、変な感心。
「ももちゃん(かつて、リュウ君が恋焦がれていたワンコ)じゃないんですよね?(ご存じない方は、書庫「わが家な話の『恋するワンコ』と、『わが世の春が』を参照してください)」と聞くと、「それがね、通ってはいるの」。おお~。まだ気があったのか…。
おばあちゃまによると、ももちゃんのところにはお散歩の途中、必ず寄るのだそうです。ももちゃんママも公認の仲ですから、あちこちクンクンお顔ペロぺロと、それなりに甘い時間を過ごしているらしいのですが、それから進まないというのです。ももちゃんの方は、「リュウ君なら」という気配でそれなりに待っているらしいのですけどね。
二世の誕生を待つ両家の家族は、その様子を見て、「リュウ君がんばれ!」と思わず声を上げちゃったりなさるようなのですが、まったく気配がない。「わからないんでしょうか…」と、残念そうなももちゃんママ。「すいません。箱入り息子で…」と、頭を下げるリュウ君とこのおばあちゃま…。ちょっと笑える光景です。
そのリュウ君が、新しい彼女の気配を探してさまよったのは、この前書きました。おばあちゃまによると、その彼女をこの秋とうとう探し当てたようだというのです。彼は、ももちゃんとの淡い関係を続けながらも、その彼女のもとへ行きたくて行きたくてしょうがないらしい。一昨日の朝も、宅急便屋さんのために開けられたドアの間から外にとび出して大目玉を食らい、それでも、その想いは募るばかりで、一昨夜の激しい恋鳴きになったらしいんです。
「何が気に入ったんだろうね」。リュウ君パパが首を傾げられたという、リュウ君が思いつめている相手は、リュウ君の倍くらい年上の女(ひと)! 人間で言えば、30代の男性が、60代の女性を追いかけているようなものらしい。人の世で、恋に歳の差は関係ないというけれど、ワンコの世界でも同じなのでしょうか。いや。もっと本能的で、正直なのかもしれないですね。
えっ? その恋はうまく実を結びそうかって? それがね、あちらのお宅では、「もういい年なんですから。困ります~。近寄らせないでください~!」と叫ばれるそうですよ。哀れよのう…。
(せめてリュウ君に、人寄せのエール画像↑を送っときます。)