雨のある旅の思い出

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 ずっとまえの旅の途中、雨に降られて、しばらく雨宿りがてらお邪魔した喫茶店がありました。カフェなんて言い方やたたずまいではなく、喫茶店という呼び名がふさわしいお店でした。名前も忘れちゃったけどね。

 実は傘を持っていたんだけど、すぐ向こうも見えないような土砂降りだったので、そのときは…パスタだか、オムライスだかと、食後にコーヒーをと頼んで(このあたりは記憶があいまいなんですが)、雨がやむまでの時間稼ぎをしたんです。

 まぁ、そんな天候なので、お客様は常連らしい年配の男性二人と私だけ。店を一人でやってらっしゃるらしいマスターも優し気な方で、長居ををしても「いつまでいるんだ」という目を向けられることもなさそうではありました。

 マスターとお二人の間で、「ここに通い始めたのはいつからだったかなぁ」なんて話が始まりました。そしてお一人が、「そういえば、単身赴任していた海外のある街を、昨日テレビで見た」なんて話をされます。その時、もう寝るつもりでリモコンを握っていたんだけど、それを見たら懐かしくてついつい最後まで見てしまった」と続けられます。で、「その頃、休みの日にたまたま出かけた郊外の店で、それまで飲んだコーヒーの中で一番うまいと思えるコーヒーに出会った。どういう豆なんだろうと思って聞いたんだけど、ちゃんと教えてはくれなかった。実は、ここに初めて来た日のブレンドは、その時の味と近かったんだ(ここではマスターが、その日の気分でだか気候でだかは知らないけど、その日その日でおすすめのブレンドを出してらっしゃっるるみたいでした)。家から近かったこともあるけど、それがここに通い始めたきっかけだったなぁ」。

 マスターは、「そんなに前じゃ、どの時のブレンドだかわかりませんね。今度これだと思われるのがあったら、言ってください。お分けしますよ」とのんびりと応えられました。そして、「今日のは、どこそこの何々という豆と、どこそこの…」とか、その豆の種類も割合も話してらしたんだけど、やっぱりそれも忘れてしまってます、ずいぶん前のことだしね~(まっ、覚える気もなかったんだけど)。

 やっと雨が小降りになり、そろそろ行くかとレジに向かった時、そこに売ってあった、きれいな色の…コスタリカかどっかのコーヒーカップや、コーヒーをいれるのに必要な器具(それも上質のだった)が少しだけ売ってあったのを見かけたんです。立ち止まってそれを見てて、陶器で出来たコーヒーメジャーをつい買っちゃったんです。シンプルなスクエアの形のコーヒー色ので、持ち手のところが短くてうちの小ぶりのキャニスターに入れておくのにちょうどいいと思ったんです。まっ、どこでもありそうといえばありそうなやつだっんだけど。コーヒーメジャーですから、確か300~400円ほどのものだったし、歩く旅先で買うには問題ないサイズだった。それも思いつきで買ってしまった理由かもしれません。

 今も使っているそのメジャー。ずいぶん長い付き合いです。この時期、コーヒーを入れようと、お湯が沸くのを待ちつつ窓の外の雨を見ていると、ふっとこの時のことを思いだす時があります。その時の外の湿った空気や3人の低めの声の会話の調子までも…。

 そういえば、京都の某お寺で、「こんな雨の日にはうろうろせずに、この窓際で雨の音でも聞いていなさい」とお坊様にいわれたこともあったなぁ。それは確か、ずっと以前、ここで話したことがありましたよね。梅雨の頃の、それも、大降りでのお出かけはうっとおしいけれど、それだけに記憶に残るのかもしれませんね。

 


※画像はその時のではないけれど、すいた喫茶店つながりということで…(何で、これ撮ってたんだろう