『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

直球のエネルギー

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この前の記事で、「版画展に行った」と書きました。今日はそのお話です。

行ったのは、『(ジュディ・オング 倩玉 木版画の世界展)』。ジュディ・オングさんと言えば、「魅せられて」という曲の印象の強い歌い手さんというイメージですが、去年、この方の版画がとても素敵だったとうかがっていたので、ごく近くでの版画展開催のポスターを見て、出掛けてきました。

いやぁ。スゴかった。版画を見て、心のど真ん中にストレートで剛球を投げ込まれたようなパワーを受け取ったのは初めてです。

画風は、写実的。かなりに写実的。小品も大作もあったけれど、見ているうちに、何だかわけのわからない力がわいてきて、ワクワクしてくる感じ。そんなときめきを感じたのも初めてのことです。

あれは、絵画です。そう感じさせる版画。中でも、日本家屋は圧巻でした。額の中の世界に、版画と思えない空間を感じるわ、柳に風が吹いてるわ…。ええ。ちゃんとそういうのが感じられるんです。もうびっくりでした。そうそう。ガラスに映った風景を再現したものもありました。あれもびっくりでした。

作画の方法としては、ここを描きたいと思ったところを撮った何枚もの写真と、それに必要な事々の説明のメモ書きを入れたスケッチブック(文章を書く時にも同じことをする事があります)をまず作り、版木に下絵になるスケッチを描き(それも完璧に)、そのあと色の数だけの版木を彫り、色を重ねていくという方法でやってらっしゃるようです。

言ってみれば、スケッチブック作り以外は、浮世絵とおんなじようなやり方なんですね。ただ、納得できる色にするために、背景だけでもヨン色重ねたこともあるということなので、全部の色の版木を作るとなると、半端じゃない作業ですよね。それをやって、あれだけのパワーを残せるって、やっぱりスゴい!

これまで私がわずかながら見たことのある版画や浮世絵からは、こういう種類のパワーを感じたことはありませんでした。ほんとに力強い、真っ直ぐに訴えかけてくる、それでいて、やたらこちらをハッピーにさせてくれるエネルギー。あるんですねぇ。こういうの。

来た順路を戻ったり、近づいたり遠ざかったりして向かい合い続けた二時間近くは、あっという間に感じられました。

感じ方は、人の数だけあると思いますから、あなたが同じように感じられるかどうかは別として、お近くで開催されることがあれば、そしてお時間があれば、是非足を運んでみてください。素敵な版画がたくさん見られますよ。

改めて、進めてくださった方にお礼を。ありがとう! 素敵な時間を頂きました。