彼女の実家のお母さんは、(彼女が)これまで使っていた携帯を使ってらっしゃったらしいんです(お金は徴収するけど、名義上は彼女が二つ持っている形)。急いで携帯をもってもらう必要があって、携帯嫌いだったお母さんに、「電話が使えればいいんだから、とにかくこれ持っといて」…と、電話の受け方とかけ方だけを教えたらしいんですね。
生活が落ち着きを取り戻し、彼女は母の日のプレゼントに、メールは打てないけれど読むことはできるまでに成長した(?)お母さんに、操作がしやすい「かんたん携帯」を買ってあげようと思いたったというんですが、携帯ショップに出向き、事情を話してどれがいいかしらと店員さんに尋ねると、「かんたん携帯じゃないほうがいいと思います。難しいんじゃないかな~」と言われたんですって。「かんたん携帯は難しいって、今ちゃんと携帯使ってるし、難しくないからかんたん携帯なんでしょうが~」と言った彼女に、店員さんはさらこう言ったそうです。
「年齢が高くなると、新しい機種に慣れるのは難しいらしいんです。若い人が簡単だと思うものがむしろ不便だってこともあるみたいですよ。使わない機能が色々あっても、今使っているのにキーの配列とか文字間隔とか、そういうのがいちばん近い機種でないと、不自由を感じられるかもしれません。機械が苦手で…という方なら特にそうです。実は、携帯を買っていただいた後で、難しいって言って持ってこられる方が実際あるんですよ。大抵は、同じようなことでお下がりをもらって、それに慣れてるってお客様なんですけどね」
結局、目的のかんたん携帯はやめて、これまでと同じようにキーを押せるだろうというのにしたという友達は、「それで正解だったみたい。でも、簡単が難しいになるなんて、思いもしなかったわよ。そりゃ、おばさん(うちの母)はうちのお母さんよりだいぶ若いけど、慣れたのがいちばんいいかもよ~」
うちの母は最初からかんたん携帯なので、そこまでの不自由はないと思うのですが、幼馴染にそう言われて、今のをもうしばらく使う気になったみたいです。
そういえば、母が最初に携帯を持ったときには、こんなことがありました。やはり携帯ショップでのこと。電話として使うだけだからカメラ機能はいらないというと、「それだとかなり割高になりますが、いいですか?(カメラ機能のあるものの方が圧倒的に数が多くて、ないのの方が少ないから、ですね) どんな機能がついていたって、使わなきゃいいだけですから。機能が少なくて使いやすいのがいいんじゃないですか」って、店員さんに言われたんです(それが、母にとっては初代のかんたん携帯でした)。
カメラ機能はいらなくても、ついたものの方が安い。いろんな機能は必要なくても、そっちのほうが使いやすい。簡単が、難しいになる場合もある。矛盾だらけだけど、なるほどね~。
画像は、母の携帯。ストラップ(?)は、(京都)泉涌寺で買ったもの。上にある穴から覗くと、祈れば美人になると言われる楊貴妃観音が見える、ひょうたん型のです。まだ美人になりたいんですかね~。