『夏の終わりに』
”僕は変わらない 変わるわけない”
その人は、少し早口で言って ’変わらないこと’を並べ始めた
そうして 気がすむむまで並べた挙句
”まだ聞きたい?”と聞いてきた
たまにこんなことが ある
それはたいてい あなたが
私の言葉に 過敏なときで
たぶん あなたが まいっているときだ
行くときを むだにしないといいたげな
虫の声が聞こえる
あなたより ずっと正直だよね
いつもは あなたが言ってくれる言葉を
今日は 私が言ってあげるね
知らぬ顔して 言ってあげるね
大丈夫だよ
馬鹿だな…