
我が家の裏庭とお隣の家の間には、コンクリートの塀があります。境界線代わりなので、ごく低いもので、そこを小さな子猫が歩いていくのを、裏庭が見渡せる台所の窓から最近よく見るようになりました。
このあたりは別の呼び方をするんですが、世間的には「キジトラ」というんですかね。グレーと黒(?)の縞模様の子で、当然まだ幼い顔をしています。
多くの場所でもそうなんでしょうが、飼い猫ちゃんは家から出されないお宅ばかりなので、多分野良ネコだと思います。
Youtubeで、野良君や野良君から家猫になった子の動画をよく見ているからか、親近感を感じて、見かけると「今日もお散歩?」とか声をかけてしまうんだけど、少し近づいても逃げたりはせず、まん丸の目でこちらを見上げてしばらくそこにいたりする、けっこう肝のすわった(?)やつだったりします。
お盆のあと、何だかやたらあわただしかった「煩雑な日々」がすこしずつ落ちついてきていたある日。思わぬことが起こりました。それは外で暮らす猫ちゃんとしては当たり前の行動ではあるんだろうけど、お隣との、上で書いたコンクリートの塀の上を歩いていた彼が、突然その境界線のコンクリート前に置いている瓶の前にぴょんと降り立ち、立ち上がって…というか瓶の縁につかまって、たまった水をピチャピチャと飲み始めたんですね。
思わず、「あっ!」と大きな声を上げました。彼は、ちらりとこちらを向いたのですが、すぐに瓶のほうに剥きなおして再びピチャピチャやったあと、もう一度ちらりとこちらを見てからひらりと塀に飛び乗り、悠々と去っていったんですね。
わたしが大きな声を上げたのには理由がありました。その瓶にはハスが植えてあり、きれいな花を咲かせてもらうために、時折(思いだしたように)固形の油粕をあたえていたんです。裏庭には混じりっけのない水の飲めるつくばいがあるというのに、その油粕入りの瓶の水を飲むんだものな~。
雨続きの日々で薄まってはいたでしょうが、8月の初めに2、3粒やったとこだったんですよね。
母は「化学肥料じゃなく、天然ものだから体には大丈夫よ」と言うんですが、体にいいか悪いかじゃないってば…。
外で暮らす野良君だから、家ネコ君たちなら口にしないような物をいろいろ飲んだり食べたりしてるんでしょうが、油粕なぁ…。実はもう一回油粕を与えてやろうと思っていたんだけど、どうするかなぁ。