「ねぇねえ。まだ起きてこないよ」
「いいんですよ、チ…タムさん。まだ6時になったとこです。久々の遮光カーテン。もう少し寝させてあげましょう」
「わかったけどさぁ、ここは競技場?」
「駅ですよ。どうしてですか?」
「制服の女の子が、す~ごい速さで突っ走っていったよ」
「あれは多分、僕たちには関係ない遅刻ってやつですね」
「遅刻?」
「そう。聞いた話なんですけど、学校では朝練っていうのがあるそうなんです」
「…あされん? 朝の…、練乳?」
「違います。朝の練乳…、じゃなくて朝の練習のことです。それの時間に遅れそうになってるんでしょう」
「遅れたら、ご飯食べられないの?」
「だから、みんなで食事をするんじゃないんです。球技とか、陸上とか…、そういうのの練習をするんです」
「ふ~ん。朝っぱらから、大変だね~」
「チビさんだって、大変じゃないですか。朝っぱらからボケ通し…」
「違う! チビじゃないから!」
「そっちですか…」