『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

ちょっくら奇跡に用がある(魔術師ペ・ヨンジュン)

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あけましておめでとうございます! 無事に2013年が始まりました。

皆さんまだ忙しくしてらっしゃいますか?
私の方は一段落して、X'masプレゼントに買った「オルゴールワールド」を読む余裕ができました。

いや~。ほっこりです。

文を読み、絵を眺めしていくと、その風景が奥行きを持って目の前に現れてきました。それどころか、風の動きや虫の声まで聞こえてきます。その風景の素敵なこと!ああ、これが絵本の良さよね~なんて当たり前のことを思いました。
 
話が進まないので、少しだけネタバレさせますが、物語は、空中都市に住むカンパネラ少年が、望遠鏡ではるか下にある森を偶然覗いてしまったことに始まります。

そこに少女の姿を見つけた彼はびっくり。だって、「汚れてしまっている森には細菌が広がっていて、人が住むことは出来ない。もし入って行きたければ防護服がなければ無理だ」と聞かされていたのに、その女の子は防護服なんて着ずにそこにいたんですから。

「あの女の子に会いに森に行きたい」と思ったことから続いていく物語。それは、「あの子」と「あの子の国」について想いをはせたことのある人には、とてもわかりやすく、心に届きすやすいお話ではないかと思います(筆者も、そういうことがテーマのひとつであることに、あとがきで触れています)。

言葉が通じなくても、間に横たわるものはあっても、人を感動させるし、人の心を繋ぐものはある。それがこの物語のテーマだと言って言いかもしれません。

カンパネラが長い歳月をかけて叶えたいと願った「想い」は、やがて物語の最後で、空中都市、森、両方の人々の心に届くのですが、その姿に、私はふっとあの子を重ねてしまったんですよね。

最初に見たとき、あの子の名前どころか、どこの国の人さえわからなかった。それでも、その演技に、そして彼に惹かれ、想いは、国と国との難しいことなんて越えたでしょう? 

相変わらず今も、国と国の間には深い川があるようです。見ようによってはさらに深くなっているようにも思えます。

それでも、彼の演技をなんの先入観もなしに心で受け止め、彼が歩いてきた道を知っている人間には、それとは違う道が見えています…よね?

それは難しい道かもしれない。けれど、案外その大変さをどこかで楽しみながら、ペ・カンパネラ・ヨンジュンは進んでいくのかもしれません。物語の中のカンパネラのように「ちょっくら奇跡に用がある」なんて言いながら…。

さて、魔術師ペ・ヨンジュンさん。そろそろその技を、見せてもらいましょうか。


そんなこんなで、いつもながらのまったりブログです。どうぞ今年も、よろしくお願いします。







(今年のお飾りは伊勢のです^^)。