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清盛さんについて…というより、平家について書かれているものでいちばん有名なものといえば、「平家物語」でしょうか。私が見たことのあるドラマというのも、たぶんこの「平家物語」がベースになっていると思います。
そういうドラマは大抵、清盛さんは「悪人」として扱われていました。ただ、その元になっている「平家物語」というのが、敗者である平家、特に清盛さんをおとしめるためのものだという反面があるとしたら、持ってしまっているイメージをちょっと疑ってみる必要があるのかもしれません。
最近思うこと。いや、しばらく前から思っていることだけど、そういう刷り込みって恐いです。誰かの思うつぼに陥ってしまうから。
話は少し変わりますが、テレビでの再放送かなにかで見たのかなぁ。「ああ野麦峠」という映画もそうでした。とても貧乏な家の娘さんが、(私からすると)奴隷に買われていくような(?)ひどい扱いをされながら、女工として苦悩して生きていく(あるいは、病気でなくなる人もあった?)物語。女工さんというのは、とんでもなく悲惨な職業だったんだと、子供ながらに感じたんですね。
ところが、亡くなった祖母に聞いた話では印象は変わってきます。多分物語はそのころ話の話だと思うんですが、祖母がお嫁に来るより前の頃の娘さんは、たとえお金持ちの娘さんでも、上の学校へという人はわずか。女の子には家事やお稽古ごとを遣らせるという考え方が普通だったそうな。
お金持ちでない家の女の子は働く。家の仕事を手伝ったり、農家の娘さんだと田畑に出て働く。そうそう。商家に奉公にあがるとか、「赤トンボ」という童謡にもあるように、「ねえや」となって、お金持ちのお宅に子守などで奉公する…とかいうのもありますよね。
ところが、女工さんになると話は違ってきます。仕事をすると、けっこういいお給料がいただけたそうな。それどころか、やめるとき(大抵結婚するとき)には、立派な花嫁道具を仕立ててもらって帰ったものだと言うんです(退職金のようなもの?)。
「理不尽にひどく怒鳴られたり叩かれたりいうことは多少はあったかもしれないが(私が聞いたので、そう答えてくれました)、自分はそういうことを聞いたことはない(祖母は、家のことをしていました)。むしろ、働く身の上としては、女工は自慢の職業だったと思う」とさえ言いました。
全部が全部そんなだったわけではないかもしれない。でも、そういう仕事を、悲惨で悲しい仕事だと思いこんでしまっていたのは、ああいう映画の影響があったからです。作り手が、自分が言いたいことを強調したかったからか、そういうイメージを観客にあえて擦り込みたかったのかはわからないけど、偏向性がある映画だったのだと今は思っています。そして、エンターテイメントの中にも、こういうことは多々あるものだ…と、理解できてもいます。
さて、清盛さんについては?