『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

ガイドブックを作るということ(前編)

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 実は、私にはずっと前から、ガイドブックを作るという夢があります。ただこのガイドブックは、「観光客による観光客の為の、京都の有名どころを多く取り上げた、その上ほとんど(あるいは、あまり)一人旅をしたことのない高齢者向け」という特殊(?)なものなんですけどね。ただこれは、京都を訪れたいけど、全然予備知識のない人(外国の方も含め)にも案外使えるかもしれません。

 話は少しずれますが、亡くなった我が家の祖母は認知症でした。今となれば、感慨深い感じもするのですが、最後はかなりの重度でね。最近では老人施設を利用される方も増えたし、多少変わったように思いますけど、我が家が祖母で右往左往していたころは、まだ認知症に対する認識が浅く、いろんな面でハードな経験をしました。

 家で仕事をする私もその影響を受けましたが、嫁である母の負担はもちろんかなりのものだったんです。その中で、定年後、母のおつとめ時代のお友達が、春は桜や新緑を訪ねる旅、秋は紅葉をめでる旅…と何度も誘ってくださるのですが、とても出ていられない状況の中でお断りすることが重なり、祖母が亡くなる頃には、付き合いが悪い人ということで、そのお誘いもなくなってしまったんです(まっ、そうでなくても、その頃のげっそりして生気のない母を見たら、気ままな日帰りの旅に誘おうとは、誰も思わなかったでしょうけどね)。

 祖母を見送った後、母には旅に出られる余裕ができました。でも、それまでずっとお断りしていた方たちに、母の方からお誘いをかけることができす、また、今度はその方たちの方に、ご自分の病気や家族のお世話などで出掛けるのが難しい状態ができてしまって、それまでの時間を取り戻すような旅ができなかったんです。

 そこで、私が無理からに連れ出すことになったのですが、出掛けると生き生きして楽しそうにしている母を見るにつけ、旅慣れず、子供がいなかったり、子供さんの方が忙しくてそれどころじゃなかったりする方は、「どっかに行って見たいけど…」と思いながら生涯を終わられることになるのかしら…と思うようになっていたんです。

 もちろん、ご主人がご健在ならご主人と…ということもあるでしょうか、母のお友だちを見る限り、「親類関係の冠婚葬祭がらみでもなければ、夫と旅などしたくない。家でテレビでも見ていたほうがよっぽど幸せ」という方が大半のようで…^^;。

 だったら、一人で(あるいは、2~3人)で出掛けても安心!と思わせてあげられるような…そういう旅を教えてあげられるガイドブックがあればいいんじゃない?! それが私のたどり着いた結論でした。

 その点、京都はいろんな意味で理想的な場所です。交通の便利はいい。景色、食べ物、宿の種類、治安…、時の流れのタンワリ感。あちらは観光客慣れしていらっしゃるから、必要な情報を手に入れるのも簡単です。

 そして、何より京都!と思うのは、大体の場合、みんな一度は訪れたことがある土地だということです。修学旅行、会社の旅行、若い頃の旅の思い出もあるかもしれない。その場所をふたたび訪れてみるというのは、そう旅慣れていないその年代の方のお好みにもあうのではないかしらと思うからなんです(だから、有名どころを多く取り上げた、なんですよね^^)。

 どういう切り口で書くかは、誰かに取られたら困るのでここでは伏せますが…(おんなじようなことを言っていた方が、どこかにいましたよね^^)。少しだけ、この次に…。