若葉の君

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 ゴールデンウィークが終わりましたね。お疲れが出ていませんか? このおやすみ明けの一週間って、ほんと長いんですよね…ーー;。おつとめをしていた頃はよくそう思いました。
 
 どれくらい前だったか。家で仕事をするようになってしばらくしてからの、ゴールデンウィーク開けの日でした(そのあたり、少しは観光客が減るのでねらい目なんです)。資料をもとめて京都の街をあちこち歩き、半端に残った時間に、よく行くお寺に寄ったんですね。市内中心部にあり、由緒あるお寺なのですが、奥まった所にある小さなお寺で、その日は受付から本堂までは誰にも会いませんでした。

 本堂に入ると、大きなスニーカーが一つ。「あ~。どなたがいらっしゃるんだわ~。この大きさは男性だわね~」と思いながら上がらせていただくと、お庭が見渡せる縁側のそばに、ぽつんと一人。やっぱり男性です。背中の真ん中まである髪を一つに束ねた、ブロンドの髪の人。
 
 誰かが入ってきたのがわかったようで、こちらを振り向いた顔にドキリ! みごとなまでにノーブルな美青年です。20代半ばぐらいでしょうか。
 
 とりあえず、会釈。わずかに笑みを返してくれたそこに、私が受付でお願いしていたお抹茶が。「どうぞこちらに」とお寺の方に縁側の方に招かれ、彼から2メートルほど間をおいた位置に座ります。お抹茶が珍しいらしいその人は、私の手元をずっと気にしていましたが、私はお干菓子とお茶をいただいて、ほっとため息(結構歩いていて、疲れてたんです)。

 それからどれくらい、庭に向かっていたのでしょう。途中、庭の彼の方側をのぞくついで(ついでか?)に見た、縁側に投げ出すようにしてクロスさせた足の、膝に頬づえを付く姿の美しいこと。「あ~。こういう人ってほんとにいるんだ~」と思いました。変な感想ですけどね…^^;。

 気がつけば、閉門が近い時間です。腰を上げ、その青年に向かってわずかにほほえんで会釈。すると、なぜかちょっとうろたえたそぶりの青年。私は、そんな彼を残し、いつもそこに行ったときにするように、安置されている布袋さんのおなかを撫でに別のお堂に回ってから、そのお寺の石段を下りはじめました。

 突然、後ろからタッタッタッと誰かが駆けてくる足音がしました。振り向くと、さっきの青年です。彼は私の前まで来ると、立ち止まってにっこり。で、声をかけてきた? い~え。事実はそんなもんじゃありません。彼は、私に向かってにっこりと満面の笑みを見せると、満足したような顔をしてくるりと踵を返し、石段を下っていったのでした。あれは、一体なんだったのでしょう…。