それによると、彦星は、天を治めるアマテラスオオミカミに命を受け、地上を治めるオオクニヌシノミコトに、アマテラスさんの高天原にその権限を譲るように説得するためにつかわされたアメノワカヒコで、織姫は、そのオオクニヌシの娘神のシタテルヒメだっていうんです。
アメノワカヒコは、眉目秀麗で仕事のできるまじめ君で、アマテラスオオミカミの信頼も厚い、任務を背負った若者。シタテルヒメの方は、絶世の美女でやはり神々から信頼され人に慕われ、やはり仕事もできる姫神だったそうなのですが、ワカヒコさん、シタテルヒメさんに会った途端、恋に落ちてしまい、相反する立場の二人はしっかり結ばれてしまいます。そしてワカヒコさん、彼女との道を歩もうとすべてを手放してしまったというんですね。
しかし、それぞれの神々に信じ頼られる二人は、人のために尽くす道を歩くために別れを選び、年に一度だけ逢うという約束をした…。それが七夕のお話になった。そこにはそんな風に書いてありました。
まっ、これはほんとの話(?)とは違う話になってるなというのは、あとになって分かったのですが、その中にちょっと引っかかった名前がありました。織姫のほうの、「シタテルヒメ」です。どっかで聞いたことがあるような…と遠い目…。
この夏伊勢神宮に行きましたから、「あれこれ調べた中にあった名前かしら。いや、そっちは高天原系だよね」と思ううちに思い出しました。5月に行った伯耆一宮の「倭文(しとり)神社」の祭神だったんです。
この記事↓
http://blogs.yahoo.co.jp/hikari2038/61859019.html
ああ。と思い出し、アメノワカヒコとのことを含め、この神様に興味がわきました。それには、5月に行った時にとても快いものを感じられたということがあったのかもしれません。オオクニヌシノミコトの娘神で、安産の神様としてあがめられた神様…ということ以上のことを知りたくなったんです。
さて、あれこれ調べてみると、シタテルヒメさんって、特別な扱いを受けている女神様だということがわかりました。ちゃんとした名前を漢字で書くと、「下光比売命(したてるひめのみこと)」。しっかり格のある神様です。マテラスさんが収まるための場所を伊勢で探している神様達にその道案内をした、あの「サルタヒコ」さんでさえ、「命(みこと)」の名前をもらっていないのに…。
サルタヒコさんについての記事↓
http://blogs.yahoo.co.jp/hikari2038/61999231.html
http://blogs.yahoo.co.jp/hikari2038/61999367.html
実は、「下照姫」とも書くんですが、この漢字はちょっと面白いです。アマテラスオオミカミってどんな字を書きました? 天照大神…。そう天照…です。天を照らす女神さんと下を照らす女神様。相対する名前ですが、一説には、この二人はおなじ人だという話があるそうです。ついでに、=卑弥呼だという説も…。
このあたりの話は、古代史に詳しくない私には手に負えませんが、このシタテルヒメさんが祭神となっている神社は、元々古墳などの要所があった所にあり、シタテルヒメさんは、他の出雲の姫神さまたちが、出雲大社から離れたところに祭られていて、そのほかの地方には祀られていないのに対して、唯一境内近くに、まるで傍に置こうとしたかのように祭られ、そのほかの地方でも祭られているという、ある種不思議で特別な扱いをされている女神様なんですね。
画像は、倭文神社の鳥居。