『雪舞う夜に』
生まれたときと同じ 雪の夜
”今夜はずっと一緒だ”と
はしゃぎ加減で言ったひとは
しゃれた言葉を 言うでもなくて
あっという間に 眠りについた
眠りそびれて ため息ついて
”ずいぶんじゃない”とつぶやいて
その肩にそっと あごを預けた
”ねぇ
あなたが教えてくれた強さを
私は どれくらい学べたかしら
あなたがくれた やさしさを
私は どれくらい返せたかしら
そんな言葉を 返したかったのに”
”しばらくは貸しだね”
閉じたまぶたが つぶやいた
ぱらぱら雪の 音の中