ちょいと奇妙な物語

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 最近、編み物をする男の人が増えているんだそうです。男性の編み物の先生によると、「プラモデルをやるような感覚で、やっているんじゃないか」というおはなしでしたが…。
 実は、私もそうなんです。この頃はいろいろ楽しみがあって(笑)、ずっと時間は少なくなりましたけど、ちょっとした時間の合間に、プラモデルをやる感覚で編み物をします(冬季限定)。編んで着るというのが目的ではないので、編んでいくうちに、「あらま、こんな風に柄が浮き出すのね~。おもしろ~い」という感激のある、フィッシャーマン・セーター(ノルディック・セーターとも言う?)ー縄編みとか、交差編みとかがやたら入ってるヤツーなんですけど。
 
 知人に編み物の先生がいて、あるとき、「会員限定で、なかなか手に入らないイギリスの毛糸の展示即売会があるんだけど、私の代わりに行ってみない?」と声をかけてもらいました。外出のついでに見るだけのつもりで寄ってみると、色がやたらきれいだったり、糸自体がおもしろかったりする毛糸のオンパレード。どうしても気になって欲しくなった毛糸があり、遊びで編むにしては少々値が張ったのですが、買ってしまったのです。編みあがりも素敵だったんですよ。たとえ我流でも、いい糸は編みあがりもいいのだと、思い知ったのはこの毛糸を編んだときです。ずっと着たというのも。

 しばらくして、それを編みなおすことにしました。めったに編みなおしはしないのですが、それほど気に入っていたんです。それを解き、簡単な湯のしをしたときのこと。突然祖母が入院しました。かなり重度の認知症で、時間は関係なくふらふら歩き回ることも多く、注意はしていたのですが、来客があり、それで目を離した隙に転倒して、股関節を骨折したんですね。
 手術は成功。歩ける状態にしていただいたのはいいけど、リハビリの意思がまったくなく、先生から近いうちに退院をと告げられました。そして先生は、「この患者さんをつれて帰られたら、あなた方が共倒れになる。私としては、それは勧めたくない。施設への入所を考えられたら?」と言い添えられたんです。
 
 そんなある日。母と交代で毎日病院に行っていた私は、ふとその毛糸のことを思い出しました。家に帰ったて、湯のししたままだったその糸を幾つか玉にしたとき、突然病院から電話が。手術前の診断で、「すばらしく健康体。十分手術に耐えられるし、うまくいけば100歳くらいまでは生きられるからだ」といわれていた祖母の様子が急変したと言うのです。
 急性心不全。機嫌よくお昼を十分に食べ、振り向いたら様子が変わっていたという、突然の出来事だったそうです。訃報を聞いて駆けつけた祖母の弟は言いました。「姉ちゃん。よく行ったな…。十分に生きて、苦しみもせずに…。いい死にだ。これでいい。今でよかった…」。

 告別式のあれこれを終え、ふと目が留まったのは、巻きかけだった例の毛糸…。片付けなきゃと、巻きかけたとき、気がついたんです。祖母が倒れたのは、それを解いた日だった。そしてなくなったのは、毛糸を巻いていた日だった…。思わず、巻いていた毛糸を投げ出しました。そして、そのまま処分してしまったんです。
 それは偶然だったのかもしれません。でも、それ以来私は、編みなおしをしてきませんでした。何かありそうで恐かったのです。それが、何故か先週、突然やってみようという気になりました。もちろん別の毛糸ですが。忙しかったし、やっている仕事はあるし、恐がるくらいならやらなきゃいいのにね…^^;。
 今、無事に毛糸は全部玉になりました。合間合間にやるので、巻くのにも時間がかかっていたのですが、驚くようなことはここまで何も起こりませんでした。いえ、知らないどこかで、何かが起こっているのでしょうか…って、長くて、ちょっと気味が悪くて、奇妙な話でごめんなさい…。



 画像は、去年何とか救う方法を教えてと書いた、ワイルドストロベリー。本体から一部を取り出して、植えなおしていたのですが、こうして無事に育っています^^。