『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

うちはどこ?








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上の画像は、一昨日の地元紙で目に留まったワンコの写真です。時々お話することがあるんだけど、私は新聞の記事(一面あたりは特に)をあまり信用していないので、わが家がお付き合いがあったお宅でお亡くなりになった方がないかどうかを確認するために、「お悔やみ欄」くらいしかしっかりとは見ないんですが、パラパラめくっているときに、文化欄にあったこの写真に目が留まったんですね。賢さ(ワンコにこういう言い方をするのは変だけど、お勉強ができるとかいう意味の賢さではなくて、生まれもった聡明さというべき?)と、どこかあきらめにも似た淋しさが感じられる目に惹かれたんです。

 これを撮られたたカメラマンさんは、いろんな野良君たちの写真をとってらっしゃる方(山内信也さんという方です)。そしてこの子は、保護施設で保護されていた子なんですって。

新しい家族として迎えられる子もいる中、この子はイケメン君なのに、高齢なうえに病気があったために、もらい手がつかなかった子なんだそう。この子を見た時、この佇まいに釘付けになったそうです。

 この方、ずっと思っていたそうなんですね。こういう施設で、あたらしい家族を探している方に見ていただくための写真は、どうしてど~れもこ~れもイケてないんだろうって。で、「よし。自分がかっこよく撮ってやろう!」と思って撮りはじめた、その第一号の写真がこれ…。記事には、始めてから10年になると書かれていたので、この子はもうどこかに新しく生まれ変わっていて、幸せに暮らしている…はず…。

 ひとり(一匹)の家族を迎える。その子がこの世を去るときまでちゃんと面倒をみきれるかどうか、私はもうひとつ自信が持てないので、いてくれるといいなぁと思いながらも飼えずにいるんですが、この間、友達からこんな話を聞きました。

 友達がご主人のご実家に出かけた時、時々散歩などのお世話をしていたそのうちのワンコが、リードを残してそこにいなかったんですって。「あれ、逃げたかな…」と思って少しそのあたりを探してたとき、お隣さんから、「数日前から、○○ちゃんを見ないのよ」と声をかけられたそうなんです。

 そのお隣さん、「(その子を大事にしてらした)ご両親がなくなってから、あなた以外に家族の方がその子を散歩させているのを見たことがない。…というか、むしろ邪魔にされているようだった。あの子は逃げ出すような子じゃない。もしリードが外れたら、少しぶらぶらしたとしても、自分から戻ってくるような子。その子が帰ってこないということは…。これはあくまでも私の考えで、失礼かもしれないんだけど、遠くで捨てられたんじゃないかと思ってるの。保健所に保護されてるかもしれないから、確かめてみてやって」と言われたそうで…。

その方は、20歳で大往生するまでそのお宅のにゃんこの面倒をみてこられた方で、動物が大好き。その子がいないことに気がついてから、ずっと気にしていらしたようなんですね。

 友達、家に帰るとすぐネットで保健所の保護犬のリストを探したそうです(保健所のサイトでも、保護された子の写真を見られるようにしてあるんですね。知りませんでした)。そしたら、やっぱりそこにその子の写真があった! それどころか、お隣さんが「多分この日にいなくなったと思う」と教えてくださった日のうちに、保護されていたんです。その子の足では、到底1日では行きつけないだろう場所で

 本当のことをそのご家族に問いただすことはしなかったそうだけど、友達は「そういうことですか」と思ったそうです。そして、旦那様と相談。ご実家には言わずにうちで引き取ろうという決断をして、保健所に向かったんですって。

それは、「処分」される前日のことでした。飼い主の承諾がなければ連れて帰れないのかと尋ねると、「そういう事情ならいいでしょう。言ってみれば、あなた方もご家族なんですから」と、保健所の係の方は快諾。そしてその子は、めでたく友達の家の子となりました。

 連れて帰ってひと月近くは、これまでずっと甘えていてくれたその子が、ずいぶんとよそよそしかったんだそうです。無駄吠えするし、ご飯もあんまり食べようとはしないし…。人間…というか、家族だった人への不信感ゆえだったのかもしれませんね。それでも今は落ち着いて、ご飯もちゃんと食べ、散歩したり、遊んだりしているそうなんですよ。仕事の忙しさもあってあまくり行き来のない御兄弟なので、その子を友達の家で引き取ったことは、まだご実家の方ではご存知ないそうなんですが…。

その話を聞い言いました。「その子、運があったねぇ」って…。彼女は、最後まで面倒をみられる人です。