『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

どうして「瀧君」なんだろう…

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 ちょっと前になりますが、遅ればせながら『君の名は。』を見てきました。これから見ようと思ってらっしゃる方もあると思うので詳しいことは話しませんが、ちょっとその感想などぶつぶつとつぶやいてみたいと思います。あっ、いやな情報はいらないって方は読まれないほうがいいかもしれません。それさえ面白がって見て来ようと思う方だけ、どうぞこの先にー。

 まず言っときますが、私この手の話は嫌いじゃありません。…というか、「時空のねじれ」が絡むストーリーって、かなりの好物だったりするんです。ただ、この映画では世の中が言うほどの大興奮はしなかった…という感じでしょうか(ブルーレイディスクは買うかもしれないですが)。

 その映像の美しさ…。これはもう、圧倒的です。それを見ただけでも損はないと思います。登場人物のチャーミングさ。そして声優さん。これも素敵…。そして、彼らがしようとしたことも、なるほどね…でもある。ただ、地震のあれこれのあとで見に行ったために、どっかシビアになっていたんでしょうか。「ん?」と思うことが、ふたつばかりあったんですね。

 これは見た方だとわかる話なんですが、女の子のほうの「三葉(みつは)ちゃん」の生まれ育ちからしての「役割」はわからないではないんだけど、なぜ、彼―「瀧君」なんだろう…と。そりゃ、いいやつですけど、彼には何の関係もない出来事です…。それなのに、なぜその「役割」を担わなければならなかったんだろう…。まっ、このあたりのことはどうでもいいという人には、なんでそんなことに引っかかってるんだと思われるでしょうけどね…。

 ただそれは、時間を置いてみると、「そうか。白羽の矢ってことばがあった」と感じるようになりました。なんの関係もなくても、そのために「選ばれる」ってことはあるかもしれない、と。それでも、「あの災難」を回避するためにそれぞれに奮闘したことと(三葉ちゃんは直接的にそれを回避させようとし、瀧君は三葉ちゃんを救うために奮闘する、という違いはあるけど)、そのあとの二人の関わり合いが、どうもすっきりしなかったんです。いや。あれはあれでいい…とは思うんだけど、後半「端折りましたか?」的な感じがしてしまったのは、私だけですかね?

 それ以上に気になったのは、音楽です。テレビのcmでよく流れていたタイトルの曲はこの映画にぴったりだと思いました。ラストも効果的だと思った。ただ、主人公たちの言葉を、そして、想いを味わうのに、それぞれのシーンに大きくかぶさる歌詞が、BGMとしてはひどく邪魔に感じたんです。ボリュームの関係もあるのかな。とにかく、「セリフを、想いを、わざと深く感じさせないようにしてあるの?」と思うくらいに、歌詞が邪魔に感じるところがあったんですね。使い方を絞ることで、むしろ歌のテーマももっともっと伝わると思うんだけどなぁ…。大体、私がこの映画を見た時の年齢層って…そして、見て思いましたもん。「これはあんまり幼い子供向きじゃない」って…。それで、「インストロメンタルなBGM」ではなく、ロック系の「歌」の多用って…、どうなんだろう…。

 …て、「どうして、世の中が『いいね~~』と思うらしい映画に、同調できないのかしら。私ちょっとずれてる?」と思って、そう言えば…と思い出したのは、『アナと雪の女王』です。あれもそうでした。あの曲があんなに早く、あんなところに登場することにびっくりし、しらけもし…、「で?」って感じでしたから…。いや。あの映画より、ずっと好きですけど。ええ、だから、よけいに残念なんですよね。






※なんで画像が神社なのかは、言わなくていいよね 平地だし、規模は小さいけど。前にアップしたことのある、八上姫さんのお社『売沼神社』です。