時は過ぎゆく…

イメージ 1
 

  週末、少し離れたところにある、親戚宅を訪ねました。先週、そこの高齢のおじさんが入院されたと連絡があったからです。その親類宅に寄って、病院の場所やくわしい病状を聞いていこうと思ったんですが、その奥さんに申し訳なさげに言われたのは、「会わないでほしい」という、思いがけない言葉でした。

 車の免許証を返してから、そのおじさんが気落ちしてらっしゃる…と聞いてはいました。その上、初期の肺がんが見つかったんだけど、年齢も年齢なので、そのままでしばらく様子を見よう…ということになった、ということも。

 ずっと来てくださっていたお彼岸もお盆も、この2年ほどは、奥さんと、車でもお宅から1時間以上離れたところに住んでらっしゃる息子さん(運転手代わりに来てくださっていたよう)だけ。「(そのおじさんは)がんの方は安定しているけど、ずっとデイサービスに行っている」と言われ、そうなのかと思っていたんですが、実は、洋服を着るのさえおぼつかなくなり、最近では、勝手に鍵を開け外にでていく、夜間徘徊も頻繁になっていたそうなんです。

 ご夫婦二人暮らしでした。デイサービスは利用していたものの、家にいるときには、常に寄り添って介助してらっしゃった、やはり高齢の奥さんの負担は大きく、徘徊が頻繁になってからは、まともに眠ることもできない。この間、ふと眠りに落ちたわずかな隙に出ていっていたので、慌てて外に飛び出して探し回り、道の端に座りこんでいるのを見つけたはいいが、どこでぶつけたのか、シャツや顔には血が飛び散り、ぱっくり開いた頭の傷を見た時、もう駄目だと思ったと言われました。もう私では、守っていけないって…。

 結局ね、病院にと言うことで連絡をもらってたんだけど、実はその病院に併設された老人施設への入所だったんです(そう言えばいいのにね…。言いたくなかったのかなぁ…)。「会ってもらうと喜ぶと思うけど、家族が行くだけでも、そのつど帰ると言って大変な騒ぎを起こすので、とり合えずお見舞いは断ってほしい」と、病院側から言われているそうで…。

 勉強好きで、あまり親と遊ぶことのない一人息子さんだけだったせいでしょうか。あるいは、仕事人間の私の父を知っていたからなのか、小さいころ、「どこそこ行くぞ~。一緒に行くか~?」と、よく誘いに来てくださるおじさんでした。ロングドライブが好きで、いろんなところに連れていってもらったんです。時がたつごとに、お盆やお彼岸に会うだけになってしまったけど、久しぶりに会いたいなと思ったんですけどね…。

 重度の認知症だった祖母方の方です。ありえないとは思わないし、その大変さも十分にわかるから、そうされてよかったとは思いました。でも、私の頭の中にあるのは、まだ矍鑠(かくしゃく)としたおじさんの姿だけ。時は確実に、それも残酷な形で過ぎていたんですよね。何か…。さみしかったな…。