夕方の風景

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 2日ほど前のこと。予定の時刻まで時間があり、ソフトクリームでも食べて暇をつぶそうと思い立ちました。あそこのベンチで~と思っていた場所は、夕方という時間もあってか、どこもふさがっています。仕方なく、木々が生い茂るエリアの、生垣の端のコンクリートの部分に腰掛けることにしました。そこでは、高校生や観光客らしき人などが、入れ替わり立ち代り、腰掛けては去って行きます。

 私から少し先には、その感じからして高校一年生くらいかなと思える男の子が座っていました。彼はとても不機嫌そう。その片足が、ピクピクと貧乏ゆすりしています。

 その原因に思い当たりました…というか、私もそれが気になっていたんです。私たちから少し前のところに、80代前半くらいかと思われるおふたり(男女)がずっと立ってらしたんです。その会話から、ご夫婦だと思いました。
 
 どなたかが迎えにこられるようなのですが、どうもその時刻が過ぎているらしいのです。ご主人(?)は、「ほんとにここで待っていろと言ったのか」とか、「時間を間違えているんじゃないのか」とか、「おまえが間違えたんだろう。だいたいおまえは…」と、悪態三昧で、それがエスカレートするばかり…。とにかく大きい声だものですから、まる聞こえなんです…^^;。慣れていらっしゃるのか、奥様(?)の方は黙って聞き流しておられるよう。たとえ若輩者とは言いながら、知らぬ何人もの人の前でののしられるのが愉快なわけはありませんけどね。

 突然、私の隣にいた子が立ち上がりました。そして、お二人に近づいて行ったんです。何をやる気だ、とちょっと肝を冷やしながら成り行きを見ていると、彼は一言。「おおっばあさん(誤字ではありません。そう聞こえたんです)、どうぞ!」と、自分のいたところを片手でさしたんです。

 おいおい…。どうぞって、そこはベンチじゃないし…。あんたがいたところでなくても、まだ座るところはあるし…と、思わず心で突っ込みを入れました。でも、彼の気持ちは、わかりました。「何をわけのわからんことを言い出すんだ」と言いたげな顔をしているご主人はともかく、たぶん「あっ。ありがと。ありがと…」とほほえまれた奥様にも彼の気持ちはわかったと思います…。

 ちょうどその時、息子さんでしょうか。一人の男性が足早にやってこられました。車がとめられなくて、というようなことを言っておられたようです。奥様は、席を(???)譲ろうとした少年ににっこりと笑って会釈すると、かたわらに置かれた荷物を持って遠ざかっていく、ご主人と息子さん(?)の後を追っていかれました。

 しばらくその後姿を追っていた彼は、どんな顔をしていたんでしょう。