『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

ずるい女とだます男

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                  『ずるい女』
                           

               “そんな風に 思ってたのか”
               突然の きつい言葉に 心を突かれた
               返す言葉も 見つからず
               ただ その顔 みつめてる

               いきなりの 不機嫌の
               理由がわからない
               ただ
               すべてが これで終わりかと
               血の気が 引いたんだ

               乱暴に抱きしめられた 胸の中
               気がついたのは
               あなたが おこってるんじゃないってこと

               “ごめん ごめんね”
               くり返すひとの
               胸のなかで 
               こみあげる笑い こらえきれなくて
               しっかりと 顔をうずめて
               肩 震わせた


                あまえれば いいのに
                それが出来ない 男のプライド
                傷つけないように そっとしてよう
                気づかないふりを しよう


              うろたえる あなたの 胸のなか             
              このままでいよう
 







                   『だます男』
                             
               いつも 大人顔してるくせに
               全部わかってるよって 顔してるのに
               “僕を 愛して!
                もっと 愛して!!“
               とんでもない 言葉を吐いた

               あなたは 何も求めない
               そう いったのは わたしだけど
               求められたものが 突拍子もなさすぎて
               途方にくれるよ

               愛してるとか いないとか
               普通で口にするのは 苦手だけど
               まさか 愛されてないなんて
               思ってないよね?

               “いいたいことは わかってるはず”
               うつむいて つぶやくひとは
               なんだか とても 少年じみて
               苛立ちと 心細さだけが 届いた


                あなたに 頼りきれない
                わたしを みすかされている
                あなたに とびこみきれてない
                そんな わたしに きづかれている


               ゴメンね
               こわいのよ、本当は
               自分を 見失いそうでー
               ねぇ わかる? 

               そのとたんに わらいだす ひと
               “やっと 本音を 吐いた”
               あなたってひとは!





 さて、この二人 、どっちがずるい?