光昏

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                    『光昏』
                         
               ただ ぼんやりと そこにいて
               行く雲を ながめていたら
               遠い杉林に
               夕日が おちるのが みえました

               茜色の 夕暮れは
               なんだか ちょっと 哀しげに
               ブルーグレイの 山々を
               いとおしむように 抱くのです

               ただ すっくりと そこにある
               杉林は 山々は
               数え切れない 雨や 嵐や 太陽を
               その体に 浴びながら
               それでも そこに あるのです
               ただ すっくりと あるのです


                人間なんて ちっぽけだね
                哀れなほどに ちっぽけだね
                何を あくせく 生き急ぐ
                何を あれこれ 思い煩う


               ありのまま 生きたいと
               思うなら そうすればいい
               それだけのことだと
               誰かに いわれた気がして
               
               くるりんと うしろを向けば
               赤とんぼが去った 坂道に
               夕闇が 降り立って
               気がつけば 
               静寂が 親しげに ささやきかける
               そんな時間です

               ただ すっくりと ここに立て
               ただ まっすぐに そこに立て