『涼風』
少しだけあけた 窓からの
涼やかな風に めざめたのは 夜明け前
ゆれる カーテンのすきまから
月あかりが のぞいてる
風鈴の音が 聞こえる…
腕にあたる しずかな寝息と
いとしい 重さ
しばらく たしかめて
からめた指 はずした
”ねえ 私に なにができる?
あなたのために なにができる?”
その髪を なでながら つぶやいてみる
あなたがいる
それだけで
わたし つよくなれるよ
あなたがいる
ここに いる
それだけでいい
なにもいらない