䖝井神社(むしいじんじゃ)。このお社は境内は広いのですが、私が見てきたお社の中では、中規模のお社ということになるかもしれません。鳥取県東部の岡山県に近い位置にあり、静かな山里にひっそりとあります。県道沿いでそれなりに交通量もあるんだけど、少し鳥居が奥まった位置にあるために騒騒しさは感じません。
神社の名前、面白いでしょ? 普通の「虫」の上に余計な(?)ひと筆がありますよね。それでも、「往古より虫の守護神として崇拝され、また幼児の疳の虫、或いは田畑山林などの五穀成就や病害虫の駆除、風雨順時などに霊験著しく、地元はもとより遠く岡山、兵庫より多数の参拝があり広く虫に関わる信仰を集めていた」と説明書きにかかれていました。
そうそう。最初はもっと山の奥まったところに社殿があったらしいのですが、創建自体は西暦51~100年くらいの間のようなので、二千年近い歴史がある古社でもあります。
そうそう。最初はもっと山の奥まったところに社殿があったらしいのですが、創建自体は西暦51~100年くらいの間のようなので、二千年近い歴史がある古社でもあります。
実はここ、母の実家の氏神様なんです。母の実家のすぐそばにも神社があり、そちらも祀られてはいるのですが(そういう形が正しいのかどうかはわからないだけど)、正式にはここに合祀されていることになっているので、ここが母の実家の氏神様ということになります。
母は子供のころ、こちらのお嬢さんと仲良しで、よく遊びに来ていたんだそうです。また、大人たちに連れられて「お籠り」にもきていたんですって。
母は子供のころ、こちらのお嬢さんと仲良しで、よく遊びに来ていたんだそうです。また、大人たちに連れられて「お籠り」にもきていたんですって。
私が母の実家を訪れるたびにお参りに連れていかれていたのは、母の実家のすぐそばにある元の神社の方だったので、私がここをきちんと訪れるのは、実は初めてのこと。他にお参りされている方もなく、ほんとにのんびりと境内を歩かせていただきました。
何だか、面白い感じがするところでしたよ。とっても楽なの。とっても楽な空気。優しくて楽。凛とした空気のある出雲大社や、先日お邪魔した、濃密な熱さのある空気を感じた「神魂(かもす)神社」、とにかく明るい印象を受けた松江の熊野大社や、海の印象がとても強い美保神社とは全く違う、気ぬけするほどの優しさ。こんな感じを神社で受けるのは初めてのことです。とにかく楽~~(私には特別なものを感じ取る力がないので、この程度の語彙で我慢してください)。
帰ってそのことを、話すと、「そうそう、そうなのよ」と同じく語彙の少ない母。一緒に出掛けた友達も同じことを言っていたので、多分だれでもそういう感じを受けるのだと思います。
お邪魔した時は、境内の草刈作業の真っ最中で、年配の宮司さん(母のお友達の御兄弟かな)と、もう一人の女性(多分奥様)が作業着で活躍中でした。なのに、私たちに気づいた女性の方が帰りがけに私たちに声をかけてくださったんです。
「おみくじ、ひかれませんか?」
それは、ありがたいんだけど作業してらっしゃる途中なのに…とか言う間もなく、ちょっと腰のかがんだその方は、ちゃっちゃと社務所(?)に戻られ、おみくじの入った箱を私たちのところまで持てきて下さり、「どうぞ」と差し出されます。
それではとありがたく引かせていただいて、「いくら納めさせていただ…」と最後まで言葉を残すのを待たず、「いりません。いりません。おみくじはここに置かれているより、ひいてもらって喜んでますよ」だって。そんなことを言われたのは初めてのことでした。
開いて見たところで、その方曰く、「気にいる内容でしたか?」。友達は末吉。私は小吉。「はい。書いてあることは、なるほどね~って感じです。よくわかります」。「それなら良かった。末吉に小吉…。これから良くなる、良くなる…。良くなりますよ」。優しい笑顔のその方は、おみくじの箱を中に戻すと、お辞儀を残してまた作業に戻られます。
「ようこそ、お参りくださいました」。優しい声でした。私たちも会釈して、来た道を戻ります。振り返り振り返り戻ります。
「ようこそ、お参りくださいました」。優しい声でした。私たちも会釈して、来た道を戻ります。振り返り振り返り戻ります。
ずっと前に話したことがあったかなぁ。実は、「瀬織津姫(セオリツヒメ)」という謎の多い女神様が、少し前から気になっているんです(出雲大社に行くとまず参道で出逢う出会う祓社〈はらいのやしろ。身を清めるためにお参りする〉にも、この方の名前があります。祓いの神様、川の神様…。、実はこのお社の主祭神様が、その「瀬織津姫」様なんですね。それで一度ちゃんと訪れてみたかったんです。そこに漂う空気を感じてみたかったんです。で、この神社がある町に用事のあった友達と行ってみようということになったんですよね。
この女神さまのこと、多分、七夕までにまたお話することになると思います
〈追記〉
ここでひいたおみくじの和歌がちょっと素敵だったので、追記しときます。
月影の すみわたるかな天の原 雲吹きはらう 夜わの嵐に
夜半の嵐ですっかり雲が消え失せた。空が澄んで月がきれいだ~ってとこでしょうか。まっすぐな瞳で空を見上げる影一つ(二つ?)。秋の歌なのかな。素敵な風景ですよね。
※文字の配置が最初と変わってしまっているとか、ちゃんと修正できていた部分が反映されていないなど、ちょっとおかしなかんじです。どうした、Yahoo!