『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

社会性って何?


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 昨年、メディアで何度も取り上げられ、ここでも取り上げた「あのグループ」の騒動。年を越してもまだまだいろいろありそうな気配ですね。実は、その騒動と少しずれたところで、私には気になったことがありました。そのことを、一度書いておきたいと思います。


 気になっていたのは、ニュースについて、ネットの皆さんのアンチな書き込みの中に、特に香取慎吾という人のことに触れるときに、「まともに学校に行っていないから社会性がない」というコメントがずいぶんあったことです。「だから普通じゃない」とか、「コミニュティ障害だ」とか、「心に闇がある」とか散々な書かれようでした。


 これらのコメントは、どうも男性(それも多分、彼より下の年齢の人)だなぁと思える感じで、ある種の嫉妬交じりの書き込みなのかもなぁとは思っていたんですが、見るたびにイラっとしていたんです。だって、「高学歴で社会性のない人」っていくらでもいますもん。
 
 そもそも、社会性って何ぞやってことが、私とは違うのかもしれません。私は、「主に公の場において、自分と折り合いをつけ、周りとうまくやっていける能力」のことだと思っているんですね。となると、大学までを特に問題なく出て、普通に会社で勤務していたって、社会性があるってわけじゃないことになります。たとえば、自分の思うように動かないからって一々部下を責め、「ぶっ殺してやる!」とか思わせるような上司に、果たして社会性があるかしら…。

 むしろ、学歴なんてなくても、もしかしたら、人嫌いで、学校なんかにも行ってなかったとしても、名作を作り上げる作家さん(工芸でもなんでも)なんか、それを通じて人を感動させたり喜ばせたりしてらっしゃるわけで、それができる人を社会性が云々言うのってどうかしてるでしょ…。


 この香取慎吾と言う人についていえば、彼には社会性がある…と私は昔から思っています。それは、多分彼が20代そこそこのころだったんじゃないかと思うんだけど、笑福亭鶴瓶さんと二人で夜中にやっていた、『平成日本の夜更け(新がついたかも)』という番組を見て、へぇっと思ったことが始まりでした(ずいぶん前に、この番組のことを書いたことがあったかも。昔だけど、けっこうおもしろかったんで…)。


 この番組、機動隊から大会社など、いろんなジャンルのトップの方が出ていらして、このお二人と、その方がなさった大仕事のいきさつなどについて話すという番組でした。お話をリードするのは、もちろん鶴瓶さん。案外当たり障りのないお話で終始して、そのあとが彼の番です。


 そこで彼は、それこそ、アンチコメントを書いていた人たちなら、怖がって聞かないだろうと思えるような…というか、「おいおい。この人にそれを聞いちゃまずいよ」と思うような、ほんとは聞きたくてしょうがないのに、激怒されるのが怖くて聞けないような核心に迫る質問を、「これがわからないんですけど…」っていう感じで、直球、それも剛速球で、ど真ん中に放り込むんです。どうも約束通りではないらしく、その中には、傍らの鶴瓶さんでさえ、言葉を失って苦笑いしてしまうような話もありました。ところが、意外にも、そのトップさんたちは、「ああ、ああ。それを聞くのね。内緒だよ。それは実はね~」って感じで、にこにこしながら、わかりやすく、それも率直に答えてくれてたんですね。私は、「彼だからできることだわ~」って思いながら、見られるときは面白がって見ていました。


 今も彼が土曜の夜にやっている番組で、英会話やニュースの話題を扱っていた時もそう。彼は決して、それが堪能だったわけじゃありません。むしろ、逆。彼の社会性云々を言っていた人たちからすれば、「ほら見ろ。できない(知らない)じゃないか」って程度でした。それを、毎回隠すわけでもなく見せて、少しずつ力をつけていった…。


 うちの家族がよくその番組を見るようになったのは、それを楽しみにしていたからだし、彼自身も、街で会社帰りのサラリーマンさんに、「英会話、頑張ってるね」ってよく声をかけてもらう…なんて話をしていた…ような記憶があります。彼の本職、歌もそうです。そうやって不完全な姿から隠すことなく、だんだん力がつく姿を見せてきたから、解散って話に、老若男女が無関心じゃなかったんじゃないかなぁと思うんですよね。


 ちょっと話はずれますが、今あの事務所所属の人たちがニュースの場に何人も出てきていますよね。彼らに罪はないけれど、あの騒動で、「所詮はあの親子のいうことを聞いてる子たちなんだ」という目線が私にはできてしまったんですが、それ以前から思っていたことがあるんです。餅は餅屋に任せとけ…ってことです。


 多分…だけど、あの事務所の人でニュースを扱うようになったのは、さっき言った番組、この香取慎吾と言う人からだったと思います。それがうまくいったから、「これはいける! 私のお気に入りは、あんな無様じゃない。もっと上手にニュースが扱えるわよ」ってことで、報道番組に放り込まれたんじゃないかと邪推しますが、普通のニュースを普通に扱うなら、ジャニーズはいらないんです。それに長けた本職がいるんですから、いくらでも…(視聴者に、ニュースに興味を持ってもらいたいから起用しているというなら、ニュースの偏向性をまず直してもらわないとね)。


 少なくとも、私が見たことがある中で感じること…ですが、香取慎吾という人は、独自の視点をきちんと持っている人です。そして、お利口に…ではなく、そのまんまを見せていた。だからこそ、各界のトップがその胸に飛び込んできた彼の質問を、快く受け入れたのではないかしら。これって、十分な(私の思う)社会性があるってことよね? 

 話をググッともどしますが、そんなわけで、あの騒動の間のアンチな言葉たちに、彼が社会性がないと言われる筋合いはない…と、他人事ながら怒っていたのでした。「そういうあんたに、社会性はあるのか」…って? ないかもね~