縁切り神社(’16出雲路の旅1)




イメージ 1
                      画像、この後出てくるお話の石碑です。


 ちょっと間がありましたが、母の検診のついでに出かけた神社のお話です(…って、書き始めて消しちゃった文章の書きなおしです)。

 検診に行く前、どこかこれまでに行ったことのない面白い(?)所はないかしら…と思っていたとき、偶然見かけたネットの記事がありました。出雲二ノ宮…。道開きの神様といわれる佐太神社。その摂社―田中神社は、全国的に珍しい「縁切り」の神社だというんです(縁結びの神社でもあるのですが…)。

 縁きりの神社…といって私がすぐに思い出すのは、京都の安井金比羅宮。実際に行かれた方もあるかもしれないし、縁切りと縁結びを促すという石碑を、京都を案内する番組や、京都を舞台にするドラマなどで見られたことがあるかもしれないですね。

  そこから近い清水寺の帰りに、ぶらぶら歩いてここを見つけ、お邪魔したことがあったんです。「そういえば、男女の悪縁はもちろん、病気やギャンブルや貧乏など、あらゆる悪縁を切ってくれる、なかなか強力なとこだと聞いたことがあったなぁ」と思いながら入っていくと、ちょうどその碑をくぐっていかれる、60代ぐらいの女性がいらっしゃいました。手をついて石碑の下をくぐり、その石碑の反対側に「形代(かたしろ。お札ですね)」を貼って、また石碑をくぐって戻ってこられ、今度は社務所に向かわれます(お守りをいただかれたようでした)。

  「そうかぁ。私もやってみようかな。まず、縁を切りたいことを書いたこれを貼って石碑をくぐり、今度はあちらからかなえたいことを書いたのを貼るのね」と思いながら、その石碑に貼ってある形代を見ると、「○○(男性の姓名)がこの世から消えてくれますように」とか、「○○(これも男性の姓名)がすべてを失い、路頭に迷いますように」とか書いたのが貼ってあるじゃないですか。背筋を冷たいものが流れました。切羽詰まって何か(誰かとの縁も含め)の縁を切りたいと思っていたわけではない私は、「どうもこれは、気安くやらないほうがいいみたい」と、拝殿にお参りしただけでさっさとそこを出たんです。

 元はお寺だったというここの主祭神は、崇徳天皇。親御さんに疎まれた上、クーデターの失敗から讃岐に流され、すべての欲を絶って自死…という、すさまじい亡くなりかたをされた方です(それゆえ、祟り神とも言われますよね)。それを思うと、確かに相当な破壊力をお持ちのような気がします。でも、そのクーデター(保元の乱。日本史で教わりましたよね)の失敗で、最愛の阿波内侍(あわのないし)と別れざるを得なくなったことから、自分のようなつらい目に合わぬようにと、思う相手との縁をしっかり結んでくださる優しさもお持ちのようで…。それゆえ、縁切りの神社でもあり、縁結びの神社でもある…と言われるんですね。

 対して、資料を読む限り、二つの背中合わせのお社があるだけらしい田中神社は、神話時代の方が御祭神です。一方のお社に収まっておられるのは、「イワナガヒメ」様(以降、「イワヒメさん」と略す)。見かけは少し(かなり?)あれ…だけど、心優しく永遠の命を約束する方のようです。もう一方は、「コノハナサクヤヒメ」様(以降、「コノハナさん」と略す。美形で名をはせる、イワヒメさんの妹さんです(どっちかといえば、彼女の方が気丈夫なのかもしれません。のちに、一度の契でできた子供の父親を夫に疑われ、「あなたの子でなければ、私は生きていられないはず」と、お産をするところに火を放って、見事生んで見せた…というんですから)。

  このお二人、お父様に言われて、同じ方(天皇家のもとといわれる)のもとに同時に(!)嫁ぐことになります。つまり、新郎一人に、嫁二人状態。実は、元々ほしがっていたのはコノハナさんだけだった、ということもありますが、新郎は嫁いできたイワヒメさんの容姿を見てひき、彼女だけを実家に送り返してしまうんです。ほんと最低な旦那ですよね…っていうか…、相手が「永遠の命を持たれるように」ということで、良かれと思ってイワヒメさんをつけた(これも、イワヒメさんには失礼な話)とはいうものの、同じところに二人を、それもそうしてほしいと求められたわけではないのに、二人を嫁がせてしまった父親…ってのがいちばんの問題かもしれません。…というのは、とりあえず置いといて…。

  こういう背景からして、どちらが縁切りで、どちらが縁結びの神様か、容易に理解できると思います。そう。イワヒメさんは縁切り&長寿。コノハナさんは、縁結び&安産などの神様なんですね。ここでずっと切れなかった腐れ縁の彼との悪縁を切った…なんていう方も結構あるそうなんですが、そういうのではなく、ここにまずお参りして、それまでの穢れを落とし、それから出雲大社にお参りする…という方もいらっしゃるということです。そういうところなら母の病気との縁切り―快癒のお願いにいいかもと思いつき、行ってみることにしたんですね。

  ところで、返されたイワヒメさんがどうなったか…。気になりませんか? 一説では…ということでですが、こんな話があります。

  以前ずいぶんお話した、スサノオさんとクシナダヒメさんとの間には、ヤシマジヌミというお子様があったそうです。この方、オオヤマツミ(イワヒメさん、コノハナさんのお父様)の娘の、「コノハナチルヒメ」と結婚し、フハノモヂクヌスという神様が生まれます。この神様を生んだ「コノハナチルヒメ」様というのは、なんと、イワヒメさんの別名だというんです(妹さんが、コノハナサクヤヒメ…ですから、イワナガヒメより、ずっとそれらしい名に思えますね)。

そのお子様のフハノモヂクヌスの子孫は、なんとオオクニヌシさんなんですって! 出雲大社に繋がった~♪

 

 





古代史ビギナー故の名前の
間違いが、あるやもしれません。平にご容赦~m(__)m