今日(木曜日)は、母のお医者さん行きの日でした。血液の検査を受け、それに応じた量のお薬を処方していただいてくるのですが、今日はいつもより、ずいぶん患者さんが少ないようでした。
順番が来て、先月の術後1年の検診の話になり、「歩けって言われました」と母。「そうだよ。とにかく、歩くのが一番」と先生。いつもより暇そうな先生の様子に、「二番めは?」と聞いてみました。「うん。遊ぶことだな…」と先生。「遊ぶことですか?」先生、こっくり。
母と同じように弁膜症を患い、そして、「一度心不全を起こしたら、2~3か月後くらいにまた心不全が起こることは多い。その場合、前より軽いとは言えない。もちろん、そのあとも…」と説明しても、「私はもう70も過ぎてるし、長く生きたいとは思わないから、手術はしません」とおっしゃる方があると、先生は話し出されました。母も最初はそうでした。
「わからんでもない。でもねぇ、必ず2~3か月で逝けるってもんでもないわなぁ(おいおい…)。5年10年と、いつその時が来るかと思いながら、家でじ~っとしとる、か? 幸いにもお母さんは、一つの弁だけが問題で、心臓自体はきれいなもんだった。おまけに、同年齢の人と比べて、はるかに足が達者だ。その状態で、この先を楽しまんともったいないじゃないですか。家庭菜園したり、いろんなところに行ったり、友だちとおしゃべり会したり…。そういうのをしてもらうために、手術を勧めたんだからね…。そういうことがもっともっとできるように、歩きなさい。で、遊びなさいな。そういうこと。はい。じゃ、また来月…」(先生、デスクの方にくるり)。
この先生がとても率直にものを言われる先生だということは、経験上わかっていました。お上手もない。お医者さんは、助かる見込みのある方には、医師の本能(?)として手術を勧められるものなんだろうとひそかに思っていたんだけど、母に残りの人生を楽しんでほしいから手術を勧めたと言われた言葉に、ちょっと感動したんです。
歩きなさい。遊びなさい…。