『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

大根島「由志園」~思いがけない紅葉~

 
 母の病気快癒のお礼参りのついでに、松江の八重垣神社のあとで行ったのは、島根と鳥取の境目のあたりにある大根島の由志園(ゆうしえん)でした。
 
 ここは島といっても、そこに住まれる方も多い一つの町です。その名前から、大根の栽培で有名とか思いそうですが、「たこ島」→「太根島」→「大根島」と、当て字で変わっていって定着した名前だそうで、実は牡丹の栽培で有名な島なんですね(そうそう。ダイハツのcmでやっていた、「ベタ踏み坂」というのは、ここへ行く橋なんですよ)。
 
 その中心施設と言うべき由志園には、年中牡丹の咲いている展示施設があり、庭園があって、秋にはライトアップップもある…ということはテレビのcmなどで知っていたのですが、そこを訪ねるのははじめてのことでした。
 
 実は、我が家のあたりのシニア世代の方たちは、団体旅行で春先よくここに来られるんです。母もよくお誘いを受けるのですが、あまりバスに強くない母は、うちから時間がかかることもあって一度も参加したことがなかったんですが、松江の中心地からかなり離れている所だけど、我が家からよりは遥かに近いので、「せっかくここまで来てるんだから、一度年中咲いてる牡丹を見に由志園に行ってみる?」ということになったんです。
 
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 行ってみてびっくり! 「わ~。これはこれは…」です。小さめの施設に咲いていた可憐な牡丹の花たちはもちろんとても愛らしかった。でも、驚いたのはそのお庭でした。
 
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 山陰でいちばん有名な庭園と言えば、何と言っても島根県安来市にある足立美術館のお庭です。アメリカのガーデン雑誌の日本庭園部門で、京都の苔寺などを押さえて不動のトップを占めているお庭。そのせいなのか、横山大観の絵をはじめとする多くの収蔵品のおかげなのか、はたまた円安のせいなのか、最近外国からのお客様もかなり増えているようです。
 
 そのお庭の前までは行けますし、美術館内の窓から見渡せる庭園の風景は、一幅の絵画を見るようで、ため息が出るほど素敵です。ただ、このお庭には一つだけ残念なところがあるんです。それは、その素敵なお庭を離れて見るしかないこと。離れてみることを前提として作られてた、広大なお庭ですから当たり前なんですけどね。
 
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 この2枚は今年春にお邪魔した時の、足立美術館
 
 その残念さを補う庭園が、ここにあったんです。その庭園の規模は、足立美術館には及びませんが、ここの庭園はお庭を回遊し、そこにある木の葉に触れられる距離で眺められる素敵なお庭だったんですね。何より、前日の熊野大社のあたりからあきらめていたもみじの紅葉が、ここで楽しめたんです。常緑樹の間に、紅葉のグラデーションが見られます。そして、足を休めたあずま屋から臨める、紅葉のある景色の美しかったこと…。
 
 
 
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                             こら、そこ邪魔しない!
 
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 ほかの観光地から離れたところなのに、みなさんが毎年でも来ようとされるわけだと思いました。山陰以外からの団体旅行のコースにも入っているようで…。おそらく、春にはまた別の美しさがあるんでしょう。十分に四季が楽しめるお庭のようです(冬はあったかな屋内で景色が眺められる足立美術館の方が、私にはいいかな…笑)。ほんとに、まったりと紅葉が楽しめるところでした。
 
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そうそう。ここに来ないと、たぶん知らなかっただろうことがもう一つ。この大根島は、日本で有数の朝鮮人参の栽培地だったんです。由志園の館内では、その栽培や精製(?)方法などが見られるようになっていて、それに関わる製品が購入できるようにもなっていました。けっこう興味深かったですよ。
 
 少し早目のとこもあったけど、母のおかげで美しい紅葉と出会えました。