入院している母は、月曜に総合的な検査を受け、すべて問題なしということで、退院へのスケジュールを消化していくことになりました。塩分制限などの栄養指導なども受けるらしいのですが、元々そう濃い塩分を取っている家でもないので、そう難しく考えることもないだろうなと思ったりしています。
退院が近い…ということで、母の入院しているところからそう遠くない足立美術館(島根県の東の端っこの位置になります)に、病院に行くついでに行ってみるか…という気になりました。前にさらっと一度取り上げたことがありましたから、もしかしたら前に見たなぁという方もあるかもしれませんね^^
足立美術館は、足立全康さんという方が集めた、横山大観を中心とする日本画や工芸品を展示する美術館なのですが、5万坪の敷地に、これも全康さんが全国を歩き回って集めたという、植木や石などを使って作られている6つの日本庭園が有名な美術館でもあります。
アメリカのガーデン専門誌の日本庭園部門で数年続けて1位を取っているという背景もあってか、この頃海外からのお客様も多いようで、私が言ったこの日も、中国語を話される団体さんや、一見して「外人さん」とわかる個人客の方を何人かお見かけしました。
日本画や工芸品はもともと好きなんだけど、今回は、じっくり絵や陶磁器と向かい合いたいというより、そのお庭をぼーっと眺めたいという感じでね。やっぱり、疲れているんでしょうか…。
実は、美術館の表玄関は案外そっけなくて質素なんです。で、私が玄関を入ろうとした時も、「何だか、予想外だわ…」なんてちょっとがっかりしたような声が後ろから聞こえてきてました。お庭のことをご存じで期待して来られた方で、表玄関からしてそのお庭の風情が見られると思われていたんでしょう。私も最初ここへ来た時は、あれっ?と思いましたから、その気持ちわかります。ところが、どうしてどうして…。
入ってみると、こんなお庭に出会えたりします。
窓枠を額に見立てたこんな風景も…。そして―。
こんなのも…。
もっともっとありますが、常に庭師さんが整えられているお庭はほんとに快い空間で、ぼっ~っと眺めているうちに、心が元気をいっぱいもらって、大きく広がっていくのがわかりました。
ふと気が付いたら、病院に行こうと思っていた時間! 大観の四季の絵をさっと通り過ぎ、慌てて病院へ。広がった心と、「3日便秘で…。尿は問題なくて…」なんて話が、頭の中でまるでかみ合わず、頭の中が混乱したままの一日でした。まっ、これもいいかぁ…^^;。
「あの子」がこの庭を見たら、どういうだろう…。