この間外出から帰ってきたら、見慣れないものが居間の壁にぶら下げてありました。
「あんたに、だって」と母。
母より一回り以上上のおばが、今年の冬、私がひどい風邪を引いたと言っていたのを思い出し、家にずっとあったウールの着物の反物で、暇にまかせて縫ったそうなんです。
「肩がこらないように、真綿が入れてあるらしいよ。腰の冷えから風邪をひくから、あったかくしてろって」
こ、これを着ろと? この柄の…、ちゃんちゃんこを? 確かに私は、ホームセンターで見つけた天使の柄の黒の半纏(はんてん)を、真冬に羽織ることがある。ただ…。これは…ーー;。私は雪ん子か?、座敷童か?(だったら、幸せを呼ぶかもしれず)。
「ありがとう」とは伝えたものの、ないなぁ…と思ってしばらくおいていたのですが、昨夜えらく寒かったので、ちょっと魔が差して(?)羽織ってみたんです。
鏡を見て、「やっぱり…。これで、丈の短い着物着て、肩までのボブなら、間違いなく年食った座敷童だよ」とつぶやいて、しばらく着ていたんですけど、それがあなた。ほんと、ふんわりとあったかいの、これ…。背中がふんわりとあったかいというのは、背筋が和らぐし、何か気分まで穏やかになるみたい…。
いきなり前言撤回。「ま、まぁいいかも…」と思いました。どうせ、外には来て出ないんだしね。叔母心づくしのちゃんちゃんこ、これから使わせてもらおうと思います。…って、だったら、最初から着てみろってか? かわいくない姪ですねぇ、私…。