華マルアーティスト

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もう廃刊になってしまっている本を探していて、全然関係ない、思いがけないものをみつけました。

ずっと前にテレビで歌を聞いて気になっていた小柳ゆきさんの、『THE BALLRADS 1999-2001』というアルバムです。10年以上前のですが、25円ですよ! もちろん中古だけど、アイスを買うより安い。とにかく一回聞いてみたくなって、「多少傷がついててもいい。気に入れば、新品を買えばいいんだから」、と思って買いました。

ラッピングをあけてみると、外カバーこそ少し傷がついていたけれど、CDにはほとんど傷がありませんでした。この頃は、自分の好きなアーティストはともかく、テレビやネットや街で流れてる曲を聴いて、いいなと思えば、ネットでその曲1曲だけでも買える時代です。ちょっと気になったくらいの人のアルバムを買ってじっくり聞くと聞くということ自体が少なくなっていますよね。でも、これくらいなら買ってOKじゃないですか? 中古おそるべし。

とにかく、どこでも聞けるようにウォークマンに取り込み、あれこれ動きながらですが聞いてみました。2~3箇所、雑音か?と思うところはあったけれど(機器の関係かも)、イヤホンで聞いていなければ気にならない程度。そこには、みなさんおなじみの(?)「あなたのキスを数えましょう」をはじめとして、彼女の歌の世界が広がっていました。

正直に言うと、最初に聞いたときには、多くの人が耳にしたことがあるだろう「あなたのキスを…」や「be alive」には、少し荒さを感じました。たぶん、若さ…なんじゃないかなぁ…。発音が気になったこともあるけれど、これを最初にレコーディングした頃の彼女は、自分の声量で歌い上げることに重きを置いていたんじゃないかという感じがします(もしくは、それが精一杯だったのかも)。充分にそれを繊細にあらわすハートがあるのにね…(と私は感じます)。最近テレビで歌っているのを聞いた「be alive」があまりに良かったので、無意識にそれと比較してしまったのかもしれません。ただ、それでも、「平成の歌姫」とかテレビでまつり上げられるような同世代の女性ボーカリストとは比較にならないくらいうまい…と思います…。

気になったアーティストさんのアルバムを聞くときの私のいちばんの楽しみは、「思いがけない宝物」を見つけることです。もちろんコアなファンの方たちはご存知でしょうが、テレビなどで大きく取り上げられるわけではない隠れた名曲が聴けること…。このアルバムにも、それがありました。「Blue X’mas」。アルバムのラストに収められている、ピアノだけで聞かせる、別れていく恋人への想いを歌った曲です。その曲。彼女の歌。感じられるハート…。心が震えました。久しぶりです。曲を聴いて泣きそうになったのは…。彼女…、すごいわ。どうしてこんな歌の歌える人のアルバムが、25円で売られているんでしょう。出荷枚数がかなり多ければ、中古は安いというのは分かっています。でも、それには当てはまらないですよね、この場合…。

想定外の大きな評価を受けるアーティストには、その人が生まれ持った「華」がありますよね。これはもう、その人の所属する事務所の大きさやその人の持っているテクニックなどとは、別次元のものです。それがあるか…っていわれると、ちょっと地味かなぁ…。

ただ、大きく愛されるようになるには、もうひとつの条件―タイミングがあるように思います。時代と、曲と、その人自身…。その3つが重なったときです。それがそろったときには、もしかしたら彼女も「化ける」かもしれません。それだけの力がある人ですから…。それを待ってみたい気がします。

私たちの国において、ですが、「あの子」が、マスコミの人たちでさえびっくりし、皮肉で記事にするほど愛されるようになったのも、このタイミングが合ったからなのかもしれませんね。登場した時期と作品。そして…、「あの子」自身(「華マル」ついてるし)。そのどれが欠けても、なかったかもしれないと、特に今は思えます。これも、「思いがけない宝物」でした…^^