『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

ラスト ディナー

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土曜の夜のBSプレミアムで、短いドラマを見ました。

『ラスト ディナー』というタイトルのその番組は、大切な人を残してこの世を去った人と、その人への想いを抱いたまま生きる人が、「あるレストラン」で最後の時を過ごすというストーリーのドラマです。

私の見た第一話は、「ちょっとタバコを買いに行ってくる」と言って部屋を出ていったきり、二度と帰って来ることがなかった恋人と、彼が亡くなったことを認められないまま時を過ごしている彼女のお話でした。

レストランで待ち合わせ。しばらくは、彼がいなくなってからの話を聞いてあげたり、彼女をひそかに思っているらしき友人の気持ちに気づかせようとしたりしながらも、自分がもうこの世の人間ではないことに触れずにいた彼ですが、話の成り行きから、興奮した彼女が彼の手に触れ、その温もりの違和感に思わず手を放した時から自分の想いを伝え始めます。

「クリスマスの日に(何がほしいと聞かれて)、一緒に食事して、僕にもたれて降る雪を見たい。そんな思い出がほしいと言ったよね」、と(だから、今こうしているということですね)。そして、「いや。そうじゃない。本当に(こういう)思い出がほしかったのは、僕なんだ」、と続けるんです。

降り出す雪。それを眺める彼に、彼女はライターを渡します。彼が亡くなった後に訪れた彼の誕生日に、プレゼントとして買ったものです。彼女は言います。「(そのことを)誰にも言ってないの。だって、いない人の誕生日のためにプレゼントを買うなんて、変でしょ?」と。それは、彼女は気づかなかったようだけれど、どんなに周りから言われても、認めようとしなかったこと―彼がもう共に生きられない人だということ―を、自らが認めたと同じ言葉でした。

彼は淋しげにほほえんで、「ありがとう」と、そのライターを受けとります。
そして、その炎をつけて見せ、さよならを告げずに、やってきた道(本来の行くべき道?)を戻っていきます(この世のものでない者が、個体を持ち去れるのか、とか、この際言わないように!)。そんな彼を、わずかに微笑んで見送る彼女。そんな二人を見守るように、流れるのはMISIAの「Everything」です(そこで歌っているのは、平原綾香さんですが)。

       You're everything.
       You're everything.
       あなたが思うより強く

       やさしい嘘ならいらない
       ほしいのは あなた

歌詞の一言一言に、「ああ。そういう風にも聞ける…」。切ないほどに思いました。

あの大震災で、この二人のように想いを残したまま大切な人と離れてしまった人達は、沢山いらっしゃいますよね。せめて、ひと夜だけでも、こんな晩餐ができたらいいのに。そう思いながら、眠りにつく夜です。





※この番組は30分。一話完結で、何回かはわからないけど、しばらく続くようです。



写真はお友だちからの頂き物です…。