『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

伊勢神宮ヨン百物語(伊勢事情あれこれ)

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最後のお話をする前に、ちょっと歩き方の説明をしますね。下宮内宮とその外にある別宮を訪ねる場合、外にある別宮はタクシーの方がやはり効率的です。例えば、私が行った外にある別宮三社と猿田彦神社でいえば、下宮から徒歩で行ける月夜見さんへは、当然待ち時間はいりませんし、下宮⇔内宮はバスの数も多いです(暑い時期や寒い時期は、駐車場近くのタクシー乗り場からタクシーにお願いする方がいいかと思いますが)。 猿田彦神社はおかげ横丁のすぐそばですから、これも徒歩圏内です。問題は、月読さんと倭姫さんのとこ。時間を十分に手にしているなら、倭姫さんのバス停(正確には「徴古館」前)は近いですし、倭姫宮のところで書いたように、このバス停からの方が拝殿に行くには近いです。バス停(「中村町」)から5~6分歩く月読さんに行くのも、辺りの風景を楽しめる気候天候ならいいとは思うんですけど、やはり待ち時間に左右されることは間違いないので、気候のいい時期でも、このあたりだけでもタクシーというのがお勧めです。内宮外宮、結構歩くわけですから…。

前の方の記事で、「どんなに暑くても、神宮に救急車が来たという話は聞いた事がない」というタクシーの運転手さんの話をしましたが、車内ではそういうことだけじゃなく、ほんとにいろんな話をしました。「今神宮巡りでよくタクシーを使うのは、出張ついでにお伊勢さん来る人だ」、とかいう話から、神宮の成り立ち、皇室との関係、内宮外宮にある拝殿の話…。伊勢でタクシーに乗られたら、聞きたいことを色々聞いて見られたらいいですよ。観光タクシーの方でなくても、十分参考になる話が聞けると思いますから。

たとえば、ホテルの話。私が泊まったホテルの話をすると、今それくらいの(クラスの)ホテルしか成り立たなくなっているんだという話になりました。道路や鉄道の高速化で、内宮外宮をお参りしても、京都や大阪にその日のうちに戻る事が出来る。無理に伊勢で泊まる必要がなくなってしまったからだ、と言うんです(いいところに泊まりたければ、鳥羽あたりの方がいいかもしれないということでした)。つまり、今の時代伊勢に泊まろうというのは、余り人に会わない早朝から神宮を回りたいとか、神域に泊まりたいとかいう「祈りの人」が多い。だから、あまり散財はしてくれない。ホテルも、過ごしやすく、料金が手ごろなのが好まれるから、当然そのクラスが活躍することになるというんですね。そういう「祈りの人」にとってのいちばん人気は、内宮の神域の中にある「神宮会館」なんだそうです。ここも料金が手ごろで過ごしやすいということもありますが、希望者は、早朝の内宮をガイドしていただきながら散策・お参りできるそうです。「祈りの人」にとって、これほどありがたいことはないかもしれません。ガイドしていただかなくても、個人で早朝から内宮域を歩くのは、本当に気持ちがいいだろうなと思います。そこに泊まってるから出来ることですよね。

そうそう。そのときに、「神宮を訪れるベストシーズンはいつだろう」と聞いてみたんです。答えは、「10月下旬かなぁ…」ということでした。稲穂の国の日本。昔は、農繁期を終えた農家の方が、その時期に大挙してこられたんだそうです。それには、いわばご苦労さん会というか、慰安の意味合いが強かったのだと思うんですけど、それも、今は早々に帰ってしまわれると残念そうでした。「そのころが、ええ時期ですわ」。

それでも、ベストオブ神社の神宮のこと。1月は特別なんですって…。「間違っても、1月には来んほうがええな。とんでもない人やから」。本当のお正月(旧暦)は今で言う2月なのだから、初詣に来たいなら2月。いい時期に、落ち着いてお参りしたいというのなら、個人的にはその10月下旬の時期を薦めるということでした。宇治橋から見る木々はいつごろ紅葉するのか聞き忘れましたが、その頃から11月始めごろなら、それも見られそうですよね。

神域で、美しい風景も楽しみながら、ゆっくり神様と向かい合う。これ以上の贅沢はないのかもしれません。それなら、ホテルはやっぱりそこそこでもいいか~(爆)。












画像は、風日祈宮橋から。