『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

伊勢神宮ヨン百物語(とうとう中心に立つ時)

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風日祈宮から神楽殿まで戻り、そこからさらに先へ進む御正宮への道のりは、少し距離があります。下宮の御正宮までの近さや、暑さのために余計にそう思うのかもしれないけれど、「まだかなぁ」とつぶやきながら、汗を拭き吹きその道をたどります。

そして蝉時雨の中、たどり着いたのは、御正宮の神前への30段くらいの石段の下(この石段の前までが、写真を撮ることが許されている範囲なんですね。この上は、撮れません)。

1月や連休、そして土日などだと、この石段に並ぶ人達の列ができるそうです。石段の途中で長々と待たされることもあるらしいですけど、さすがにこの時期の平日はそんなことはありません。…というか、待つこともなく上っていけました。やっぱり、内宮の御正宮もほかの場所より人が少ない感じがしました。不思議ですね…。あんなに人がいたのに…。

鳥居をくぐって拝見したご神殿は、建物の細かいあれこれの違いはありつつも、大体の配置や警備などは、下宮と同じようでした。でも、何せベストオブ神社の中心の御正宮ですから、「あれっ。ここの警備、一人でいいの?」と、最初に思ったんですね、まぁ、ここに来た人(もしかしたら、「来ることを許された」人)なら、いたすらに不敬なことなどしないのかもしれません。

そうそう。傍らの宿衛舎に、「私の中の陰陽師スタイル」の神官さんがいらっしゃるのも外宮と同じでした。この場所で強く何かを感じたわけでもない私は、その姿を拝見して、「ご装束は涼やかな色合いだけど、暑いだろうなぁ、この時期しっかり着込んだあの姿でいらっしゃるのは…」なんてことを思ったりしてました。

ところで、夏休み中だからか、神域では子供連れの方の方の姿をずいぶん見かけました。私がご神前にたどり着いたときにも、御両親らしき方たちと一緒に、手を合わせ、頭を下げる小学校の中学年くらいの子供達の姿がありました。二人ともいい子でご挨拶していましたよ。「ホントはここより、USJやディズニーランドなんかに行きたいんだろうな、この子達…」なんて思ったりもしましたけど…(笑)。

そのご家族と入れ替わりに、ご神前の少し左寄りに立ちました。「やっと来させていただきました」と、ご挨拶からはじめます。そして、しばらくして頭を上げた時、その白い幕(御幌・「みとばり」と言うんでしたね。今思い出しました)は、はためくこともなく、大きくふんわりとたわんで見せてくれました。

そういえば、どこもそうだったけど、ご神前ではとても快い風が吹いていた。それだけで十分でした。