『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

伊勢神宮ヨン百物語(鳥居の前で)

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神宮には、大きく分けて、内宮と外宮という神域があります。内宮の主祭神は、何度が書いたアマテラスさん。外宮の主祭神は、アマテラスさんの食べ物をつかさどるという豊受大神(とようけのおおかみ)、トヨウケさんです。

このトヨウケさん、元々は違うところにおられたのですが、アマテラスさんが、「一人でご飯食べるの淋しいから、トヨウケも伊勢に呼んできて~」と言われたので、そう言われたにしては5キロも離れたこの外宮に収まられた…といわれています。このとおりだとしたら、アマテラスさんって、けっこう淋しがり屋なのかもしれませんね。

最初の辺りにも書きましたが、伊勢参りのしきたりとしては、二見興玉神社にお参りし、前の海で体を清めて禊手(みそぎ)をし、下宮→内宮とお参りして行くという進み方だったようです。ネットで見かけたものによると、下宮と内宮はそこにある「気の種類」がちがうので、この進み方が一般人には無理がない…ということなのだということだそうです。そして、「人によっては、外宮の気の方が自分に合う人もあり、その逆もある」…なんてことも書いてありました。

場所こそ違いますが、二見興玉神社の主祭神の猿田彦さんに御挨拶してきているので、とりあえずは私も古来からのお参りの仕方にのっとった動き方になっていますよね…^^v。

外宮の表参道と裏参道のうち、私は裏参道から入ることにしました。江戸時代の物語、「東海道中膝栗毛」というのの主人公のやじさん、きたさんが入った…ということになっているのは、こちらなんだそうです。江戸時代は、こちらが表参道だったということですね。

駐車場を進んでいくと、短い橋が見えます。火除橋といいますが、そこから神宮の神域が始まるんです。駐車場の隅で、買ってきたポカリ○エットをグビッとやって一呼吸。その橋を渡ります。

そして見た、ほかの神社と違う風景。それは、この神域に入っていく人達の多くが、きちんと約束にのっとって、拝殿だけでなく鳥居の前でも、きちんと一礼をされているということです。「クラブ行く~?」的な若い男の子(笑)でも、周りの様子を見てきちんと一礼しているし、子供連れの方なら、ご両親が子供さんの頭を下げさせていらっしゃるんです。そういうのを見て、「ああ。神宮とはこういう所なんだ」と、ちょっと感動しました。

話は少しずれますが、本来鳥居というのは、読んで字のごとく「鳥が居る場所」だった、と書かれていたものを読んだことがあります。その鳥とは、入ってこようとする人を、入れていいかどうかを見分ける鳥だった…と言うんです。そこに入れては駄目ということになったら、どうなるか…。前に書いたように、そこまで行き着けないのかもしれないし、もしかしたら…とちょっと恐い想像をしたりもしますが、そんなことじゃなくても、ほかの方のお宅にお邪魔するときには、普通挨拶しますよね。「こんにちは!」とか、「おじゃましま~す」とか。そう御挨拶をするのと一緒…という解釈で、私はこれまでそうしてきました。でも、ちょっと恥ずかしいのでかなり軽めにですが。でも、皆さんの姿を見ていて、今回ばかりはそれではいけないなと、しっかりと一礼したんです。

またまた話がすれますが、実は、内宮を歩いているときに気づいたことがあるんです。そこを行く団体さんの多くは、がやがやとおしゃべりされていて、一礼もされないで鳥居を過ぎる方がほとんどだった、ということです(外宮では会わなかった、外国の方の団体を含めて)。まぁ、「観光地としての神宮」という感じなのだろうからしょうがないと思いますが、あまりに違う風景だったので、それがとても印象的だったんですよね。