『光と風の間(はざま)で』総本家

総本家なんで、あれこれあります

伊勢神宮ヨン百物語(ツキヨミさんとツキヨミさん)

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神宮の内宮と下宮の「別宮」には、それそれ同じ呼び方の社殿があります。内宮の方は「月読宮」、下宮の方は「月夜宮」とあらわし、ご祭神も、それぞれ「月読尊」、「月夜見尊」とあらわしますが、どちらも、「つきよみのみや」で、「ツキヨミノミコト(ツクヨミノミコトとされることも)」を祀ってあるんですね。どうして、そうなっているかは調べてみてもわかりませんでしたが、昔っからそうなんだそうです。

この二社には、それ以外の違いもあります。月読宮の方には、ツキヨミさんのご両親(ツキヨミさんは、アマテラスさんの弟君なので、アマテラスさんのご両親でもあります)の社殿がそれぞれに、そして、ツキヨミさんの荒御霊(あらみたま)だけを納めた社殿と、そのすべての「想い」が調和した形になった御霊を収めたツキヨミさんの社殿、合わせて四社が並んだ形になっていますし、月夜見宮のほうは、この四柱のうちの、あとのほうのふた柱が一つのお社に納められているんです。

ここで新しい言葉が出てきました。「荒御霊って?」と思いますよね? その神様の、荒々しい…というより、活性化した状態の御霊を言うらしいです。で、さまざまな感情が調和した状態の御霊とわけて、それをお祀りしてあるらしいんです。

なんで活性化したものだけを別に祀ってあるかというと、この部分に訴えかけると、こちらの願いがかないやすい…ということらしいんですね。すべての想いが調和した状態だと、そこには満ち足りた想いだけがあって、何かを動かそうという気は起こらないということかもしれません。そう思うと、ちょっと恐れ多いけれど、何か人間的な感じがしておもしろいですね。

猿田彦神社と倭姫宮のあとは、この二つのお社を訪ねたんです。訪ねてみて、同じ神様が祀られている場所だのに、境内を歩くだけでもこんなにも受ける感じが違うのか…とちょっと驚きました。

某スピリチュアルカウンセラーさんが、ものすごいパワースポットだと言われたらしい、少し木に囲まれた参道を歩く形の月読宮は、とても凛としていました。来るものを少し離れたところから見ているというか、ちょっとかしこまった感じ…かな。何故か、右手の指先がちょっとぴりぴりする感じもありましたね。

 神宮のあちこちには、すごい巨木がありますが、ここにもすごい木がありましたよ。このあたりからパラパラと人の姿が見えるようになり、2~3人連れの方が、その木にしっかり抱きついていらして、それを見てちょっとひきました(実は、後のことを思うとそういう方を見てひいたのは失礼だったなと思うのですけど)。お参りをしてから、その方たちが離れられた木にそっと触れてみましたが、さっきの方たちがしてらしたように、「何か感じる~?」と聞かれたら、もちろん持ち上げているわけではないけれど、感じたずっしりした重み以外は、「いいえ。残念ながら…」と応えたでしょう(左端から2枚が月読宮のものです。何と拝殿は自分で撮ってなくて、お借りしてきました…^^;)。

一方の、月読宮からすると遥かに参道が短い月夜見宮にも、やはり巨木がありました。実は、この巨木、来る前にネットで見ていて、とても惹かれるものがあったんです。映画「スキャンダル」で出てきた巨木が妙に引っかかって、それがソウルを訪ねる一つの目的にもなった私です。もしかしたら「巨木フェチ」なのかもしれません(それについては、書庫「オットケ・ソウル」の10~11に書いています)。

そうそう。実は、ここのセミ、それまでで一番けたたましかったんですよ。それでいて、どういうわけか妙に落ち着く、気持ちのいいうるささなんです。そんなお話を社務所の方にしてみたら、「そうでしょう。どういうわけか、ここのセミは違うんです」とおっしゃってました。気のせいじゃなく、やっぱりそこそこで鳴き方が違っているんですね。ここの境内や参道は、ほんとに気さくで柔らかな感じがしました。

そして、逢いたかったその木は、木じゃありませんでした。いや。木なんですけどね…。触ってきたばかりの月読さんの木とは、全然違っていたんです。

 私の感じ方ですが、月読さんの木は、木としての形を崩さずそこにある感じ。ここのは、大きく手を広げて、そこに来るものをハグせんと待ち構えているような…そんな感じを受けたんです。とっても大きなあたかい意志があるっていうか…。触ってみてもね、違ったんです。ずっと触ってたい感じ。実は、抱きつきたいと思ったんだけど、はずかしくて触るのがやっとだった…(だから、人をあ~だこ~だ言えないんです…)。

 そのすぐ下まで、境内と同じ石が敷いてあるところがあったので、そこまで人が来ることを想定されているんでしょう。怒られることもないでしょうから、朝一番で誰もいなかったら、やってみたかもしれません。でも、触ってるだけでも気持ちよくて、参道を戻りかけて3度戻って触ってきたんです(^^;)。ずっとその木の所にいたい。そんなことを思ったのは、ソウルのとき以来…。その時以上の気持ちよさでした(左3枚目から5枚目までが月夜見宮のものです)。

ところで、このツキヨミさま。この世に存在するものすべてを照らし出すようなすごいオーラを持っていた…と、古の書物に書かれています。太陽になぞらえられるオーラを持ったアマテラスさんに対して、この方のは、月の光にたとえられるらしいんですけど(月の神様といわれるのはそのせいでしょうか)。で、比類なきイケメンだったそうなんですよ。その、あたりを明るく照らし出す超イケメンのツキヨミさんは、毎日夜になると、ご自分のいらっしゃる月夜見宮から下宮まで続く道を、白馬に乗って駆けていかれた…なんて伝説があるんですって。何しに行ってらしたんでしょうね。なんにしても、想像してみると、いい風景ですよね~。文字通り、白馬に乗った王子(爆)。



こんな感じ↑ですかね。シーンがシーンだから、ちょっと違うかな?(左から6枚目7枚目は「スキャンダル」より)。