伊勢神宮ヨン百物語(最初の扉に手をかけて)

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今回の伊勢の旅は、連日猛暑日を記録する日が続く中なので、朝は早めに動く計画を立てました。ただ、何せ我が家からはJR&近鉄特急の乗車時間を合わせて5時間以上の伊勢のこと。どうやりくりしても、その日に家を出たのではいちばん暑い時間帯にぶつかりそうなので、お参りする前日の夜伊勢市に入り、駅近くのホテルに一泊することにしたんです。さらに、一回だけの乗換えで済むスケジュールをたて、中継地の京都から、夕方の近鉄特急で伊勢市に向かいます。

日曜だったせいか、車内は結構にぎやかでした。私の隣は、時々うちわをパタパタしながら、さきイカを肴に缶ビールを何本か飲む60代か70代の男性。穏やかに飲まれるいいお酒の方でしたが、その男性も途中で降りられ、伊勢に近づくに連れて、車内は段々淋しくなっていきます。終点は賢島。つまりまだまだ終点ではなかったのですけれど。「こんな感じなら、神宮も割りと人が少ないかもしれないな」と思いました(それはとんでもない勘違いだったんですけれど)。

そんな車内を見渡し、あとしばらくだなと思った頃から、急に雨が降り出しました。稲光を伴う激しい雨です。久々に見る雨だな~と思って眺めていたのに、その雨はすぐにやみ、雑木林の風景に靄(もや)が立ち込めています。「ああ。今回もか」と思いました。遠出して何か新しいことを始めようとするとき、私はよくこんな靄を目にしていました。…というか、そういうときには靄に出会うような時間帯に動いていたということですかね。

そんなこんなで降り立った近鉄の伊勢市駅は、駅前に地元の高校生がたむろするような、ありがちな小さな駅でした。ベストオブ神社の伊勢神宮の外宮がそばにあるのに、こんなもんかいな…という感じでちょっとびっくりしたくらい。外宮に徒歩圏内でも、隣に内宮に近い宇治山田駅があるせいなのでしょうか。昔から、伊勢参りをするときは、あちらがメインの駅だったのかもしれませんね。

仕事のときに使う四輪の旅行ケースを引きずって着いた駅近くのホテルは、コンパクトで使いいいホテルでした。私は少し時間のあった京都で暇つぶしがてらにお弁当などを仕入れていましたが、ビジネス系のそのホテルの2軒ほど先にはスーパーがあったんですね。最近、まだ人があまりいない早朝の神宮を味わいたいという人(とくに若い人)が増えているそうですが、これなら早朝からの「出陣」に備えられますね。

シャワーを浴びてさっさとお弁当を食べ、明日の下準備を始めます。1年前から伊勢神宮行きを計画していましたが、母とは外宮と内宮だけを参拝するつもりだったので、ほかのところについては、お勉強が不足している気がしていたんです。

実は、今回の旅は、その「外側」をも訪ねる旅でもありました。内宮外宮以外に訪ねたのは、猿田彦神社・倭姫(やまとひめ)宮・月読宮・月夜宮。この名前を聞いて「あっ!」と思った方があるかもしれません。というのは、調べてみると、倭姫宮をのぞいて(もしかしたら、ここもその中に入っているのかもしれませんが)、このところパワースポットとして人気があるところらしいからです。だから、訪ねたということではないのですが…。

この頃、心根がまっすぐで、いい「気」を持っている人が居る場所、そしてその人自体がいちばんのパワースポットではないかとか思ったりもする私ですが、確かに理屈なしに気持ちのいい場所ってあるな、と感じてはいます。子供の頃から年に一度は行く出雲大社も、そんな場所のひとつ。そして、少し前に訪れた東京大神宮では、透明な高い壁の中にいるような不思議な感覚を味わったということもありました。そういうパワースポットと呼ばれるところで、そして神宮で何を感じるか、楽しみだけれど、はじめて訪れる神宮にちょっと緊張してもいました。

聞くところによると、ごくまれに鳥居さえくぐれない人があるそうなんですよ。「鳥居をくぐれるということは、招かれたということ。拒絶される人は、神宮まで行く事が出来なかったり、たとえ来れても鳥居をくぐる事が出来ず、そのあたりでくるくる回ったり、鳥居をくぐらずに横から入ったりすることになる」という話を目にしていたんですね。だから、ちょっと不安だったんです。私は神宮にまともに入っていけるだろうか。招かれざる客ではないだろうか…って。だって、母の体調が整わなかったという理由はありつつも、計画を立てはじめてからすでに1年たってしまってるんですから…。